「創発」をしかける人|これからのエグゼクティブの在り方

明けましておめでとうございます。

2022年が始まりましたが、どのような新年を迎えられたでしょうか。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨年末から新年にかけて、日本海側を中心に大寒波に見舞われましたね。
かくいう私も、2年ぶりに実家のある飛騨高山に家族を連れて帰ったのですが、そこは、さっきまでいた場所とはまるで別世界の雪景色でした。
おそらく数十年ぶりの大雪で、息子や甥っ子たちと一緒に家の屋根に上り、連日、雪下ろし、雪かきをしました。
おかげで、正月太りならぬ、正月マッチョな過ごし方ができたと思います(笑)

さて、「一年の計は元旦にあり」と言いますが、この正月にはどのような決意をされたのでしょうか。

当社リバース・フロウは、この2022年には設立8年目を迎えます。
そんな年を迎えるにあたって、当社はこれから、もっともっと当社らしいメッセージを皆様のもとにお届けしたいと思っています。

エグゼクティブ開発専門のコンサルティング会社。と自称している当社ですが、このテーマについて今後、当社が取り組んでいること、あるいは、目指していることを深く掘り下げて、メッセージをお送りしていきます。

■これからのエグゼクティブの在り方

本年最初のテーマは、当社が理想とする、これからのエグゼクティブの在り方について、お伝えします。

理想のリーダー、そしてエグゼクティブ。
それは、「創発をしかける人」です。

創発(emergence)とは、
部分の性質の単純な総和にとどまらない性質が、全体として現れることです。

簡単に言うと、「1+1が、2よりも大きく無限大以下」となることを言います。

つまり、創発をしかける人、というのは、
「組織の総和(価値)を、そこにいる人の数以上に高められる人」
ということです。

■日本の平均賃金と、創出価値について

昨今、日本人の平均賃金が世界でもかなり低いことは周知のとおりです。
※OECD加盟国中22位、G7中6位(OECD統計による)

すでにこの状態に慣れてしまっている人にとっては、別にそんなに困らないことかもしれません。
しかし、深刻なのは、「日本だけの平均賃金が、この30年間ほとんど変わっていない」という事実です。

たしかに、「賃金が高ければ良いのか」と言われれば、それだけではないと思います。

が、もらえるお金というのは、提供するものに見合った対価として支払われるものです。
乱暴な言い方をすれば、もらえる額が少ないということは、「価値が低い」とみなされている、ということになります。

■賃金は高い方が良いに決まっている

日本は「清貧」という考え方が儒教の影響によって根底にあるせいか、お金を稼ぐことにそんなにポジティブに考えられない人たちも、一定数はいるようです。

ですが、自分の価値を高められないことの言い訳を「清貧」のせいにするのは、本末転倒です。

例えばプロスポーツ選手が、契約更改のときに、会社側からの提示額を「保留」することがありますね。
彼らはなにも「お金がほしい」からという理由だけで、保留を選んでいるわけではないでしょう。
「自分の正当な価値を認めてもらえなかった」という意識が、そうさせているわけです。

価値を図る基準は、現代の資本主義社会において、今のところ「お金」がもっとも説得力があるのです。

■日本がライジングするために

上記の事実から簡単にわかってしまうのは、
日本の価値はこの30年間、まったくと言っていいほど、世界から認められていないとも言えます。

もとい、事実としては、もっと厳しいことが言えるでしょう。
アメリカや中国をはじめ、軒並み先進国の賃金が上がり続けているなか、

日本だけが停滞しているのは、「ひとりデフレ」となったということ。
つまり、価値を認めれていないどころか、「日本だけが価値を下げて続けている」ということです。

日本、一人負け。
30年以上にわたる、この不名誉な事実を受け入れたところから、私たちは、日本をもう一度価値ある国にライジングさせていくことができるのではないでしょうか。。

そこで、私が開発をめざす新たなリーダー、エグゼクティブの姿がここにあります。

つまり、創発をしかける人こそが、これからのリーダー、エグゼクティブに必要な資質なのです。

■組織に「創発」が生まれるためのしかけをする人

組織の総和を無限大にふくらませる人。

こんな力を持ったリーダー、エグゼクティブが待望されているのは間違いありません。

そんな何人かの存在によって、組織には「創発」が芽生えます。
従業員の価値を高めることで、組織・企業の価値を上げるということです。
100人の従業員の企業価値が、200人規模、いや1000人規模になるかもしれないのです。

従業員の価値が高まるというのは、
従業員ひとりひとりが、みずからの価値を認識し、それを如何なく発揮することで、成果を実感できるということ。
つまり「自己効力感」が、実感として持てることが必要です。

そして、そんな創発のしかけをする側の人には、彼らに自己効力感を実感として持たせるためのリテラシーが、とうぜん必要になるわけです。

■「創発」を生む人に必要なこと

組織には、大きく分けて
コンセプトを作る人
タスクをこなす人
の2種類の人たちが存在し、それがかみ合って運営がなされます。

皆がどちらか一方に寄りすぎると、組織は停滞するか暴走するか、しかありません。

創発をしかける人には
「コンセプトを作る力が、8割」
「タスクをこなす力が、2割」
必要だと個人的には思っています。

つまり、ものごとを構想する力の方が、言われことを粛々とこなす力よりも、必要だと思っています。

詳細は次回のメルマガから解説しますが、
例えば、
・不確実さやあいまいなものを受け入れ、楽しめる「胆力」
・常識を逸脱して直観をカタチにできる「思考力」(言語化力)
・ものごとの価値を多面的に見せる「本質的な問い」
などです。

この「創発をしかける人」の存在は、30年以上にわたって没落を続けるこの国において、希望を示すものとなるはずです。

さらに言えば、「創発をしかける人」を受け入れられるように、社会風土、組織風土も変わっていかなければいけません。

当社は、そのための取り組みに、今年も全力を尽くしてまいります。

本年第1弾のコラムをお読みいただき、ありがとうございました。
今後も定期的に、このテーマでのメッセージを発信しつづけていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

2022年が皆様にとって、心休まる、豊かな一年になりますように。

<今週の箴言>
(ラ・ロシュフコーより)
われわれの美徳は、ほとんどつねに、
仮想した悪徳にすぎない。

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