2020/05/25

オンラインコミュニケーション時代の新常識(秘訣①)

こんにちは。
リバース・フロウの清原です。

 

東京もようやく緊急事態が解除されましたね。

ただ正直、これまでと何が変わったという実感はなく、この期間に身についた行動変容を淡々と継続していくのだろうと思っています。

 

ある記事で、「このままリモートワークを希望する」という回答が総数の7割に上っていました。

このように、新型コロナがもたらした新しい生活様式・仕事様式は、良い面・効率的な面は、これからも引き継がれていくようです。

 

そんな中で、以前よりお届けしている「オンラインコミュニケーション(OC)」についてのテーマは、

けっして一過性のものではない、というのが私の実感です。

 

先週は、

OCは、なぜこれほどまでに私たちを疲れさせるのか

について考察しました。

 

今週は、

この新たな形態のコミュニケーションをうまくやっていくための「秘訣」をお伝えします。

 

まず何より、最初に押さえたいのは、

オンラインとリアルでは、コミュニケーションはまったくの別もの

という前提です。

 

リアルでのミーティングや面談の延長のように、

「じゃあ、つづきはオンラインで」とやっても、

リアルほどうまく意思疎通はできないという経験を、多くの方がされていると思います。

 

リアルにはリアルの作法があるように、

オンラインにはオンラインの、作法があるのです。

 

リアルの常識をダラダラと持ち込むことも、

リアルとオンラインを融合させることもできません。

 

意識もやり方も、キッチリとスイッチングする必要があるのです。

 

以上の前提に立ったうえで、「秘訣」について考察していきます。

 

3つの秘訣のうち、今日は1つめをお伝えします。

 

―――――――――――――――――――――――

オンラインコミュニケーション(OC)の3つの秘訣

―――――――――――――――――――――――

 

1)余白を埋めない

 

2)ローコンテクストに切り替える

 

3)よく観察をする

 

 

本日は、1)「余白を埋めない」について解説します。

 

余白とは、

 

・心理的余白

・時間的余白

 

と定義します。

 

ラジオを聴いていて、もし「シーン」となったら焦りませんか?

私たちも、特に個別でのOCで、相手が黙ったりしてしまうと、とたんに焦りはじめ、

その隙間を埋めるようにやたらと多弁になってしまうことがあります。

 

が、その隙間を埋める必要はありません。

 

コミュニケーションで生まれた隙間は、

お互いに「一拍置く」ために訪れたタイミングなのです。

 

気まずい思いを恐れる必要はありません。

余白を埋めるために、意味のない言葉を紡いでいくことは、何の価値も生みません

 

そういうときこそ、「ここまでの話でわからないことはない?

といった、お互い理解を深めるため、話をかみしめるためのタイミングにしてください。

 

 

そして、「時間的余白」。

 

とかくオンライン会議の予定をたくさん入れたがる人たちがいます。

こうした人たちは、自分の能力を過信していると、私は思っています。

 

わずか数分しか空けず、次からまた次のテーマへと、

一日に5つも6つも、瞬時に切り替えと集中ができるほど、私たちの頭はスマートではありません。

 

OCは、リアルの会議や面談よりも、20~30%ほどの余裕をもって設定しましょう。

 

会議室から会議室、またはお客様の会社から自分の会社へと移動する時間は、じつは非常に大切です。

 

この間を使って私たちは、直前の情報を整理しようとしているのです。

いわゆるリフレクションの作用が働いているのです。

 

その余白をみずから奪ってしまい、いったいどんな生産的な会議や面談ができるのでしょう。

オンライン時代になってまで「モーレツ社員」をやってるなんて、笑えないです。

 

ましてや、会議を2つも3つも掛け持ちしている、という話を聞いたこともあります。

「マルチタスクは生産性が下がる」という研究結果が出ている昨今です。

 

そんな働き方こそ、今まさに、真の変容が求められているのではないでしょうか。

 

自分の能力を過信してはいけません。

 

打合せや会議は、時間的余裕を含めたうえで設定してください。

 

 

 

以上、本日は、オンラインコミュニケーションの秘訣その1)についての考察でした。

 

次週は、秘訣その2)「ローコンテクストに切り替える」をお届けします。

 

 

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

◆◇◆ 今週の箴言(しんげん)◆◇◆
(ラ・ロシュフコーより)

 

誰も彼もが、自分の記憶力を嘆き、

 

誰ひとりとして、自分の判断力を嘆かない。

 

 

2020/05/19

オンラインコミュニケーション時代の新常識①

こんにちは。
リバース・フロウの清原です。

 

リモートワーク化が急速に進んでいますね。

皆様も職場の人たちと、オンラインによるやり取りが日常になってきたのではないでしょうか?

 

私も10年ほど前から、コンサルティングやコーチングをオンラインで実施することもありましたが、

今や、ほぼ100%のサービスをオンラインで実施していることは、さすがにちょっと想像していなかったです。

 

この1カ月で、「オンラインによる効果的なコミュニケーション」についてのセミナーを、それこそオンラインで、計3回実施させていただきました。

 

本日と次号のコラムでは、それぞれのセミナーで申し上げてきた内容について、ポイントに絞ってお伝えします。

 

 

本日お伝えしたいのは、

 

「なぜオンラインコミュニケーションはこれほど私たちを消耗させるのか?」

についてです。

 

ある調査によると、職場の上司・部下とのやりとりがオンライン化されることで、

 

「特に課題は感じていない」と回答した率は、28.8%

それに対し、

「やりづらさを感じる」と回答した率は、45.9%でした。

 

想像通りの結果かもしれませんね。

私は、オンラインコミュニケーションにやりづらさを感じるのには、2つの理由があると考えています。

 

 

オンラインコミュニケーションで消耗させられる理由

 

その1) 情報の手がかりを奪われる

私たちは通常、対面で人とコミュニケーションをおこなうとき、

いわゆる「五感」に頼って相手の情報を探ろうとします。

 

相手の顔色、声色、しぐさ、目線、手や体の動き、などがあるでしょう。

こうした言語以外の情報というのは、相手を理解するのに、想像以上に役立っています。

 

ところが、これがオンラインとなると、その五感の半分以上は奪われます。

「視覚」と「聴覚」の2つしか、頼るものがなくなるのです。

 

そして、相手を知ろうとすればするほど、足りなくなった手がかりを埋めようと、

そこに「想像力」や「集中力」、あるいは「忖度」など

普段はそれほど使わなかったエネルギーが大いに投下されることになります。

 

脳というCPUは、ふだんの何気ない対面コミュニケーションよりも、かなり多く消耗される、というわけですね。

 

 

 

その2)日本人特有のハイコン文化

ハイコンとは、ハイコンテクストの略です。

コンテクストとは「文脈」のことです。

 

例えば、

相手の顔色を見て理解することだったり、

「言わなくてもわかるだろう」的な圧力だったり。

 

こうした、言語化されない、文脈を読み取るコミュニケーションがハイコンです。

「文脈割合が高い」コミュニケーションを表します。

 

もちろん、ハイコンだからこそ、日本人独特の謙虚さや空気を読む力が

養われてきた、とも言えます。

 

ところが、

オンラインでのコミュニケーションにおいては、ハイコンは通用しません。

お互いの理解不足や消化不良、あるいは感情のもつれさえ

生じることになります。

 

これが、私たちを消耗させるのです。

 

「言わなくてもわかるだろ?」

「俺を見て、察してくれ」

どうとでもとらえられるようなボンヤリした表現、

遠回しすぎて何が言いたいかわからないような表現、

 

こんな、相手の解釈に甘え切ったスタイルのコミュニケーションは、

このオンライン化時代、取り残されるしかないようです。

 

視覚と聴覚しか頼りにならない、

さらに、時間制限のあるコミュニケーションにおいて、

「察する」「忖度する」は、もう通用しないのです。

 

もっというと、忖度を強いる、という意味で、相手に対して失礼なのです。

 

 

オンライン時代は、ローコンの時代です。

ローコンテクストとは欧米的なコミュニケーション、要するに「文脈割合が低い」コミュニケーションです。

 

つまり、「しっかりと意思を言葉にして、伝えきる」ことが必要になります。

 

顔色を窺ったり、空気を読んだりすることが難しいオンラインのコミュニケーションでは、

 

限られた時間内に、あいまいな文脈だったり、疑問を残させないよう、明確な言葉で伝えきる。

そして、疑問があればその場で解決する、といった行為が必要になってきます。

 

「私の言いたいことは伝わっていますか?」

「疑問はこの場で解決しましょう」

「次の打合せまでに何をするのか明確ですか?」

「すみません。私のタスクがまだ明確ではありません」

「それは、誰がするのですか?」

 

など、

こうした確認をしながら、きちんとした言葉を選びながら進めていきましょう。

 

そして、上司としては、しつこく部下に聞かれても、けっして機嫌を損ねてはいけません。

そんなことをすれば、さらに存在感が薄くなるだけです。

 

 

以上、オンラインコミュニケーションはなぜ消耗をさせるのかについての、考察でした。

 

 

最後に、とても重要なことなのですが、

 

コミュニケーションは、対面とオンラインでは、まったくの別もの

 

ということを意識しないといけません。

 

 

次回は、オンラインコミュニケーションの効果を高めるための、

具体的なヒントをお伝えします。

 

 

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

◆◇◆ 今週の箴言(しんげん)◆◇◆
(ラ・ロシュフコーより)

 

弱い人間は、素直になれない。

 

 

 

2020/05/01

会社を救った自閉症の青年の話

こんにちは。
リバース・フロウの清原です。

 

コロナ禍において、企業の変容が叫ばれていますが、
本日はひとつ、「個」に組織が歩み寄ることで成功を収めた例をご紹介します。

 

危機にあった、シリコンバレーの某ITベンチャーを、自閉症の青年が救いました。

 

なにがあったのでしょう。
この企業は、ハリウッドで撮影された公開前のフィルムの、最終工程の加工を請け負っています。
独自の技術によって、映像をよりリアルに近づけるための加工を施しているのですが、
ある部分の加工だけは、どうしてもミスが発生してしまうことに悩んでいました。

 

それは、普通に観ていればまず気づかないほどの、わずかなバグ。
最新の技術をもってしても「手作業よりわずかに改善された程度」にしか仕上がらないとのこと。
仕上がりまでにはたいへんな労力と時間を要していたそうです。

 

担当ディレクターは、ふと思い立ち、

一人のアルバイト青年に声をかけたのです。ディレクターは普段から彼の仕事をぶりをよく見ていたそうです。

「彼は類まれな集中力をもっている」ことを知っていました。

まだ20歳そこそこで、当時は簡単な入力作業だけを担当していたそうです。

 

そして、それには理由がありました。

この青年は、いわゆる「自閉症」でした。

 

彼のもつ独特のコミュニケーションスタイルに会社側が配慮し、あまり多くの人と関わらなくて良いよう単純作業を任せていたとのことです。

そして、「彼を単純な入力作業から、第一線の映像加工に異動してもらったことが、会社を大きく変えることになった」らしいのです。

 

青年は、あっという間に才能を開花させました。

誰も追随できないほどのレベルで、驚くべき集中力と正確さを発揮したのです。本人いわく「ランチを食べるのも惜しい」楽しい仕事とのこと。

結果、彼は、当時最新のAI技術をも凌ぐほどの正確性で、ひとつのバグも見逃すことなく、まさに「完璧な仕上がり」を実現させ続けたのです。

 

手戻りはなくなり、徐々にスケジュールが前倒しできるようになったことで、会社は大きなターニングポイントを迎えました。

ハリウッドからの信頼が、さらに厚くなったということです。まさに、自閉症の青年による大手柄です。

 

しかし、本題はこの続きにあります。

 

青年はやがて、あることでストレスを感じるようになっていました。

それは、「仕事が終わったから家に帰ります」というボスへの声かけができない、というのです。

声をかけるタイミングがわからず、誰かが声をかけてくれるまで、ひたすらスマホと向き合っているしかなかったのです。

 

そんな彼の様子に気づいたチームメイトからの報告を受け、ディレクターが打った、さらに次の一手。

 

それは、部署全員が使っていた共有チャットシステムをすぐに入れ替えたのです。

そして、青年に、「仕事が終わったら、このアイコンをクリックすれば、誰にも何も声をかけないで席を立ち、そのまま家に変えってOKだよ」と告げたのです。

青年のストレスの最大の原因は、こうしてなくなりました。

 

「彼を私たちのやり方に合わせさせるのでなく、彼のやり方に私たちが合わせたんです」とディレクター。

「その方がずっと合理的だと思ったし、彼のやる気を下げてしまうことを考えたら、費用なんて安いものだった」

 

企業の個人への歩み寄りは、結果、大きな利益を生んだ、という好例です。

 

 

もちろん、シリコンバレーだからここまでできたという見方もあるでしょうが、

なにもお金をかけましょうというお話をしているわけではありません。

 

身近な人がストレスなく、強みを発揮できるには何ができるのか。

シンプルに考えることで、実現したひとつの例です。

 

 

もしあのディレクターが、そばで働いている部下の仕事ぶりに関心がなかったら…

私はこのストーリーに触れ、そんなことを考えました。

 

リモートワーク化が進み、部下に寄せる関心は、さらに重要度が増しています。

 

 

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

 

◆◇◆ 今週の箴言(しんげん)◆◇◆
(ラ・ロシュフコーより)

 

他人に対して抱く信頼の大部分は、

 

己のうちに抱く自身から生まれる。

 

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2020/02/19

「太らない」という経営戦略

武漢熱拡大の一刻も早い鎮静化と、皆様の心穏やかな日が一刻も早く戻ることをお祈りしています。。。

 

 

さて、今回経営者の皆様にお伝えしたいことは、たいへんシンプルです。

 

経営者なら、太ってはいけない」という一言です。

 

唐突に、ふざけているように聞こえるかもしません。

 

私腹を肥やす、とかいう意味でなく、文字通り「肥満」であることを、ここではマジメに言っています。

 

企業の健全性を保つことがミッションである私として、この原則は、会社のマネジメントよりも先行して取り組むべき、重要な経営戦略とさえ思っています。

 

 

企業の経営とはなんでしょうか。

それは、大小のマネジメントの連携によって成り立っています。

 

経営者の最大のミッションのひとつは、こうして人と組織をうまくマネジメントすることですよね?

 

 

では、例えば。

自分をうまくマネジメントできない人が、いるとします。

 

ご自身なら、と考えてみてください。

 

 

そういう人に、自分の大切な部下と組織のマネジメントを、安心して任せることができるでしょうか?

 

そういう人に、大切な自分のおカネを貸せるでしょうか?

 

なにより、そういう人に、「君はセルフマネジメントができないな」とだけは、言われたくないのではないでしょうか。

 

 

シンプルな理屈なのですが、

 

自分をマネジメント(セルフマネジメント)できない人に、人や組織やお金をマネジメントすることは難しいはずです

 

つまり、

「行き過ぎた自分の体型を放置している」ということは、

「私はセルフマネジメントがヘタだ」ということを

図らずも、身をもって表現している、ということにならないでしょうか?

 

さらに、もっと怖いのが、

社長自らの自制心を疑われるばかりではありません。

 

人によっては、社長の健康的なリスクも、連想させてしまいます。

 

例えば金融機関。

融資先として減点材料を与えかねないということも、元銀行員の私としては考えてしまいます。

 

 

自制心が弱そう。。。

おまけに不健康そう。。。

 

と感じさせる人に、喜んでおカネを貸し出す金融機関はどれほどあるのでしょうか。

 

そのリスキーな姿でもって「当社はうまく統制がいっています」と言ったとしても、どれほど説得力があるのでしょうか。

 

 

時代は変わりました。

 

もう「キャラ」で片づけられる時代ではないのです。

 

 

ああ、心当たりがあるな、と思われたら、

心配しているご家族や社員や取引先のために、いや何よりも、ご自身のために、

 

持ち前の自制心と精神力の強さを、今こそ発揮するときです。

 

組織のマネジメントよりも、先行して取りかかる、「ひとり経営戦略」です。

 

人知れず成し遂げる行動変容こそ、ホンモノです。

 

 

 

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

~人生とビジネスをフローにするために★☆

◆◇◆ 今週の箴言(しんげん)◆◇◆
(ラ・ロシュフコーより)

 

自分自身を信頼すれば、
他の事に対しても
信頼が生まれてくる。

 

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2020/02/05

フィードバックの受け取り方

こんにちは。
リバース・フロウの清原です。

 

新型コロナウイルスの拡大は、世界経済にも深刻な状況を与えているようです。

また時期を同じくし、インフルエンザも猛威を振るい、あの忌々しい花粉までもが飛び始めました。

自分の身は自分で守るしかないなと、あらためて思います。

 

世界が最近、とてもザワついています。

 

英国のEU離脱にしても、米国のパリ協定離脱にしても。

あるいは、オーストラリアの大規模火災にしても、今回の新型肺炎の拡大にしても。

 

私たちは日々、自分たちの住む地球から、毎日のように新たな「フィードバック」を受けているように思います。

 

 

 

本日は、この「フィードバック」について考察を深めていきます。

 

 

私は組織風土を改善する専門家ですので、日々さまざまな企業様の課題を目にしています。

 

 

特に、よく聞かれるのは、「うまくいっている組織には共通点があるのか?」というものです。

 

これについては折に触れてよく言っていますが、その質問に私が答えるときは必ずこう言います。

 

「ええ。あるようで、ないです」と。

 

なんとも曖昧な答え方ですが、これはある意味で真実です。

 

うまくいっている組織には、法則性を見出そうと思えば、いくつかは見つけられます。

実際に、それを明文化してルールにする、といった試みも、多くの企業で見てきました。

 

ところが、残念ながら、よその会社の成功法則をもってきて実践したところで、それはしょせん「よその会社の成功法則」でしかないのです。

つまり、「思ったほどうまくいかなかった」という結果が、意外なほど多く出ます。

 

 

要するに、

企業の成功法則には、おおむね「再現性がない」

ということが言えると思うのです。

 

私が、成功法則をそれほど重視しない理由を、お分かりいただけたかと思います。

それは、本当の意味で、クライアントファーストではないからです。

 

 

 

では。

 

 

「うまくいかない組織」の法則については、どうか?

 

 

これは話が別です。

 

ここには、意外なほど一致点を見つけることができます。

 

 

「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」

とは、肥前の国9代藩主、松浦清の言葉。

 

まさに、勝ち方というものには再現性はなく、負け方にこそ法則性が存在する、という本質ですね。

 

 

もちろん私も専門家として研究をしたり知見を深めたりする中で、ひとつ断定できるテーマを共有したいと思います。

 

 

それは、

 

 

フィードバックを受け止められない組織はつぶれる

 

 

という失敗原則です。

 

 

私はコラムの冒頭で、最近の世界情勢について、「日々新たなフィードバックを受け取っているようだ」と書きました。

 

 

そもそもフィードバックとは何でしょうか?

 

聞き慣れている方も、その原義を押さえておいてください。

 

フィードバックとは

「出力を、入力側に戻す操作」と定義づけられています。

 

少しわかりやすく解釈すると、

「結果を、原因側に知らせる行為」とも言えますね。

 

つまり、もっと現代寄りな言葉で言えば、

「出た結果をニュートラルに、出した人に伝える」といえば、わかりやすいでしょうか。

 

 

世の中のすべての現象は、「作用」があるから「反作用」があります。

 

PCのキーを押せば、その通りの文字・記号が画面に映ります。

間違って押せば、間違ったままの文字・希望が画面に映ります。

 

人類が生まれて好き放題に資源を蹂躙(じゅうりん)してきたから、地球が温暖化になる。

自国の利益だけを優先してきたから、世界に分断を生む。

 

また、

嫌いな人に「嫌いだ」と伝えれば、何らかの反応があるように。

子供に「お前はできない子だ」と言いながら教育すれば、その通りの人になっていくように。

 

 

世の中とは、ある意味こんなにシンプルにできているのだ、と言えないでしょうか?

 

 

こんなにもシンプルなしくみのはずなのに、それを忘れてしまったかのような世界があるのです。

それが、いわゆる「うまくいかない組織」です。

 

そこは、このテーマである「フィードバック」がまったく働いていない世界です。

 

例えば、

・自分についての多面評価(360評価)を見て、「こんなはずがない」と怒る社員。

 

・自社の風土調査(サーベイ)の結果を見て、「うちの会社はこんなに悪いはずがないじゃないか!」と怒る社長。

 

・お客様からお叱りやクレームを受け、「あのお客はわかってない」と黙殺するサービサー。

 

・あえてダメ出ししてくれる部下のことを、「あいつはうるさいだけでわかってない」と陰口をたたく上司。

 

・お客様からの要望に「検討します」というだけで、仕事が増えることを嫌って、なかったことにする社員。

 

などなど。

 

 

繰り返し起きる同じような失敗。

いつまでたってもなくならないハラスメント問題。

 

 

こうした組織には、

「フィードバックを受けとめることができない」

といった特徴があります。

 

 

そもそもの「原因」であるはずの人たちが、自分が起こしたことの「結果」に向き合えていない

ということなのです。

 

つまり、自分の尻をぬぐえない人たち。とも言えるでしょう。

 

そんな子供のような大人たちが集まった組織が、うまくいきっこありません。

 

 

フィードバックというのは、良いも悪いもない。

あくまで結果自体は、意味を持たないで発生するものなのです。

 

 

そして。

 

私が関わらせていただいている優れたリーダーたちは、

 

 

みずからが起こしたことを、結果として受け止めようとします。

 

起きたことを、謙虚に受け止め、分析しようとします。

 

分析したものを、学びとして組織に共有しようとします。

 

二度と起こさないようにと、ルール化しようとさえします。

 

 

つまり、こうした人たちが、「フィードバック」をどう受け止めているか?

 

 

フィードバックとは「予兆」であり、

 

チューニングのための「データベース」

 

 

なのです。

 

だから、組織や現場でフィードバックをもらったとき、彼ら優れたリーダーに共通する態度は、

 

「ありがとう」

 

と言うのです。

 

 

厳しい批判をもらっても。

 

思ったような結果にならなくても。

 

耳の痛い報告を聞いても。

 

 

「ありがとう」と言います。

 

 

それが、フィードバックをニュートラルな結果として受け止める、「はじめの一歩」です。

 

ここを誤ると、

「そんなはずない」という、”独りよがりの妄想リーダー”となってしまう恐れがあります。

いわゆる「裸の王様」です。

 

 

 

さて皆さんは今日、どんなフィードバックをもらいましたか?

 

フィードバックをくれたことに、どんなリアクションをしましたか?

 

 

フィードバックをもらいやすいリーダーのあり方を、あらためて考えてみませんか?

 

いつでもご相談お待ちしています。

 

 

 

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

~人生とビジネスをフローにするために★☆

 

◆◇◆ 今週の箴言(しんげん)◆◇◆
(ラ・ロシュフコーより)

 

賢者はどんな不幸な出来事からも、
何かしらの利益を得る。

 

その一方で、
愚か者はどんな幸福な出来事にも、
心を傷つけられてしまう。

 

 

※写真は、当社パートナー会議の様子。

いつも笑いが絶えません。

 

20200201MTG

 

 

2020/01/22

ミスの報告について(米国航空業界にならう)

こんにちは。
リバース・フロウの清原です。

 

今年ほどの暖冬を経験したことは、生まれて初めてのような気がしています。

この調子でいくと、あの忌々しい「花粉」の飛散も早まるということです。

日本に、年々住みづらさを感じるようになりました。。。

 

 

仕事柄、私は会社の役員の方々と接する機会が多いのですが、次のような言葉をよく聞くことがあります。

 

それは、現役のいわゆる若手社員についての嘆きです。

 

例えば、

「彼らは、失敗を恐れすぎる」

「最初から、できない言い訳ばかりする」

「諦めてばかりで、チャレンジをしない」

「失敗しても、隠そうとする」

などなど…

 

皆さんも、どこかで何度か聞いたことのあるセリフではないでしょうか。

 

毎年春になると、どこかのナンセンスな団体が、頼まれもしないのに、

「今年の新入社員は~~タイプ」というレッテル貼りをして、ムダな消耗をしているように、

(https://diamond.jp/articles/-/198397)

とかく若手を中心に、シニア層は「もの足りない」という印象を持つものです。

 

要するに、

俺たちの若い頃のように、失敗を恐れずチャレンジしろ」と、彼らは言いたいのでしょう。

 

 

しかし、、、残念ながら、

この思想は、そもそも最初から”理論破綻”を起こしています。

 

 

簡単に分析してみましょう。

 

 

その1)俺たちの若い頃

 

これはおおむね30年前以上の時代を指していることが多いようです。

この当時のビジネス環境は、今とはまるで異世界です。

 

グローバリゼーション、規制緩和、人口構造、円ドルバランス、ICT、AI、自然環境にいたるまで、何から何までこの30年で変わってきているのです。

 

今とは比べ物にならないほどの「牧歌的な」環境にノスタルジーを感じるのはムリもありませんが、それを「俺たちと同じようなことをしろ」というのは、そもそもの無理があるでしょう。

 

 

 

その2)失敗を恐れるな

 

「本当にあなたは失敗を恐れなかったのですか?」と問いたいです。

脳の構造上、失敗を恐れない人はいません。

 

つまり、あの懐かしき時代は、失敗についてある程度の「リスクを計算」することができた時代なのです。

今よりも単純明快な構造の時代において、「この道を選べば、こうなるだろう」というおおよその予測は立てられたのです。

むしろ、それすら計算できない人は、本当にヤバイ人だったとも言えます。

 

ところが、今はどうでしょう?

あらゆる前提条件が変化するから、リスクが昔ほど簡単には計算できない世の中になっています。

リスクが計算できないということは、予測が困難な時代(VUCAとも言われています)ということですね。

 

これまでの方程式が成り立たない。。。

したがって、「失敗は怖い」に決まっているのです。

 

 

 

 

とはいえ、そう単純にものごとは片づけられません。

 

 

成長が宿命づけられた組織としては、「チャレンジしなくてよい」とは言えないでしょう。

私も経営者ですから、よくわかります。

 

チャレンジとはある程度リスクを負うものであり、そこから得られる経験は個人にとっても組織にとっても成長の糧になる。

ということは間違いなくあると思います。

 

 

そのうえで、社員に「チャレンジする」ことを推奨するために、考えなければならないことがあります。

 

 

それは、「ミスの報告」の扱いについてです。

 

 

チャレンジにはミスがつきもの。

この考えには誰にも否定できないでしょう。

 

 

しかし、本当にわかっている人がどれほどいるでしょうか。

 

「チャレンジにミスはつきものだ」と公言しておきながら、

いざ自部門でミスが起きると、

犯人を捜して、

処罰する。

 

 

よくあるパターンだと思います。

 

 

「ミスをすれば処罰される。

 

処罰されるくらいなら、リスクなど取らない」

 

 

多くの若者がこういう心理状態になっていたとしも、至極当然のですよね?

 

リスクを買って出る人なんて、いる方が珍しいのではないでしょうか。

 

 

こうしてみると、チャレンジという成長の機会を組織から奪っているのは、マネージャー自身だったりします。

 

 

 

ここで参考までに。

 

米国の航空業界を例に挙げます。

 

 

ここでは、どんな小さなミスも報告義務があります。

 

興味深いのは、

 

ミスを起こしても10日以内に報告すれば、処罰はされない決まりになっている、ということです。

 

さらに、高度を一定基準を外れたりすると、自動的にエラーレポートが本部に届けられるシステムになっているのですが、

データからは操縦士が特定されないようになっているそうです。

 

つまり、米国の航空業界は、ミスのデータを

犯人探しと処罰」のために使うのではなく、

「対処すべき問題の改善」のために使われているのです。

 

 

また、私が参加したある外資系の企業でも実際、

会議で堂々と自分の失敗を報告するマネージャーを見て、驚いたことがあります。

 

「今回の失敗は、●と●が原因と特定し、その解消のために次は●という戦術を試みようと思う」

といった具合に。

 

その会社は、「事業開拓に失敗はつきものだ」という考え方が真に社内に浸透されていました。

失敗の要員をどう分析し、次に役立てるのか、そのデータを蓄積することに価値が置かれていたのです。

当然、人事評価でもマイナスポイントはありません。

 

 

ミスの捉え方は、本当に大切だと思います。

 

つまり、ミスを、

「次の一手の精度を高めるためのデータ」

ととらえることです。

 

すると、よくある「繰り返し起きるミス」というのは、本来はなくなるはずなのです。

 

繰り返し起きるミス。。。これいったいはどう起きるのか。

 

ミスを起これば処罰されるので、それをなるべく隠そうとする。

明らかにならなかったミスは、分析できない。

だから、まったく「学び」に繋がらない。

したがって、またしても同じミスが起きる。

 

という具合に発生するのではないでしょうか。

 

 

組織として、ミスは成長のための「分析機会」ととらえてみてはいかがでしょうか。

 

 

それには、たったひとつのことを実行いただきたいのです。

 

「報告した人を、罰しない」

 

これさえ守られれば、組織はもっと風通しが良く、もっと成長の実感を得ていることだと思います。

 

 

失敗を学びに。

 

報告を歓迎する。

 

 

こんな組織が増えていく国であってほしいと心から望みます。

 

 

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

~人生とビジネスをフローにするために★☆

◆◇◆ 今週の箴言(しんげん)◆◇◆
(ラ・ロシュフコーより)

 

賢者はどんな不幸な出来事からも、
何かしらの利益を得る。

 

その一方で、
愚か者はどんな幸福な出来事にも、
心を傷つけられてしまう。

 

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ビジネスコーチングを受けたことのない方も、ひとりで解決できない課題があるなら、まずはお気軽にご相談ください。
個人の能力が高いはずのプロスポーツ選手にも、必ずコーチがついています。ビジネスコーチとは、クライアントの能力を引き出し、第三者的な立場から冷静にアドバイスを送り、親身になってビジネスの目標達成へと導く心強い存在です。
東京の株式会社リバース・フロウのお知らせページでは、各種メディアへの掲載情報や取材情報などもご紹介しております。どんな会社がどんなサービスを提供しているのか気になる方も、ぜひお知らせページにてご確認ください。

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