2019/12/18

【経営コラム】人材育成に必要な思考法

こんにちは。
リバース・フロウの清原です。

 

年末独特の騒々しさが街中すみずみにまで届き始めました。

皆さま、お風邪など召していませんか?

 

日本独特のこの時期にしかない風習は、なんだか滑稽ですね。

 

・忘年会

・大掃除

・年末のあいさつ回り

・年賀状

・年始のあいさつ回り

・新年会

 

「今年もお世話になりました」

「今年もよろしくお願します」

 

私たち日本人はこの時期たった数週間で、こんなにも慌ただしいやり取りや宴会をこなします。

 

しかもその間、誰もがクリスチャンの真似事までしなければならないという、かなりの器用さが求められます。

 

 

いったい、この「今年」という概念は、どこから来ているのでしょう?

なぜ、1月1日を挟んで、「お世話になりました」と「よろしく」を慌ただしく交わさなければならないのでしょう?

 

「1年経てばリセット」

まさか、そんな都合の良い概念はないと思いますが、

時間という概念は、1年でなくとも、1ヵ月もあれば1週間もあり、また、1時間もあれば1分、1秒だってあるはずです。

 

ただ、時間軸に立って、ものごとや関係性を清算したり改めようとする考えは、悪いことでないと思います。

 

とはいえ、ものごとはそれほど単純でなく、いわゆる現代社会の産物である「直線的思考」が優位に立っているのは否めません。

 

実際にビジネスにおいては、その思考法によって、一部の人が周りを引っ張ってきたという事実もあります。

 

 

「直線的思考」とは、

「時間軸はまっすぐに直線的に伸びる」ととらえ、原因や過去についてはこだわらない思考法です。

 

直線にともなって時間が伸びていくので、一見スピード感をもって成長するように見えるのですが、人との関係性もご縁も、その場限りになりがちな考え方です。

そして、同じ失敗を繰り返します。

 

 

私は長年、人材育成に関わり、この考え方を持つ人があまりにも多いことに気づきました。

 

まあ、「拡大」が命題である資本主義においては、ある意味当たり前の考え方なのかもしれません。

 

ですが、そんな現代を果たして「人間にとって幸せか?」と問われると、私は必ずしもそうは思いません。

 

 

 

 

では、ここからが本題なのですが、

 

 

 

上記の「直線的思考」を持つ人。

つまり一見、スピード感があり、爽快で、前向きで、上昇基調の人たちがいる一方で、世の中には違うタイプの考え方をする人もいます。

 

・何度も同じことを繰り返しているように見えても、

・少しずつ改善を加えながら、

・過去を償ったり、

・ほんのわずかな改善や変化を積み上げたりして、

 

”少しだけ角度のあるループ”を描く人です。

 

 

そんな人を、「円環的思考」の持ち主と言います。

 

 

身近な例を挙げます。

例えば、こんな場面をよく見かけませんか?

 

 

週末のファミリーレストラン。

 

幼い子供と、若い夫婦が席について、食事をしています。

 

母親は、自分の幼子のために、息を吹きかけながらスープを冷ましたり、食べやすいようにおかずをスプーンで砕いて、口に運んであげる。

 

子供が、ようやく口をもぐもぐさせ始めると、母親は自分の口にやっと食べ物を入れる。

 

 

一方、父親。

 

そんな様子を意に介さず、さっさと自分だけ食事を済ませ、あとは退屈そうにスマホをいじっている。

あるいは、「自分の手が空いたから」子供の介助をする。

 

 

そして、母親。

 

子供が食事に飽きて、食器で遊びだす。

スプーンを放り投げる。

母親は自分の食事はさておいて、我が子をたしなめながらも、スプーンを拾ってテーブルに置く。

しかし子供は、またしてもそのスプーンを面白がって、放り投げる。

母親はまたテーブルの下に頭を突っ込み、スプーンを拾ってテーブルに置く。

幼子は、さらにまた...

 

 

そんな様子を見ている父親。

「いい加減にしなさい!」と、幼子に怒鳴る。

 

びっくりした幼子は、泣き出す。

父親は、イラつく。

母親は、我が子をなだめる。

 

 

どこにでもあるような風景です。

私もじつは、十数年ほど前は、こんなタイプの父親のひとりでした。

 

 

しかし、ここに、母親の「円環的思考」と、父親の「直線的思考」が如実に現れているような気がするのです。

 

 

直線的思考の人には、「成長の限界」が早いうちに訪れるのではないかと思っています。

 

一本の直線的な道を、まっすぐに同じスピードでひたすら進むことが、成長だと思っているからです。

 

同じことを繰り返すことができない。また、同じ道に戻ることを嫌うからです。

 

彼らの論理から言えば、それは「成長」ではないのです。

自分と同じスピード感でついてこられない人たち、あるいは道を後戻りする人は、「成長していない」と断罪してしまいがちです

 

 

 

一方で、

円環的思考の持ち主は、じっくりと成長し続けることができます

 

子供が食器をテーブルから落とすたびに、

腰を折ってかがみ込み、何度だって、淡々と、食器を拾い上げる。

 

 

このタイプの人たちは、

 

”相手”の成長速度に”自分”を合わせることができるのだと思います。

 

 

一見、あまりにも遅々としていて、前に進んでいるようには見えず、いやむしろ、前にいたところに戻っているように見える。

 

しかし、その人にとって、その行為は「リセット」なのではありません。

 

自分に関わる物事や人が、もっとそれらしく最適に変化をするまで「待つ」ことができる

ということなのだと思います。

 

そのためには、何度だってそこに戻ることができる。

つまり、成長に必要なモノやコトを「積み上げている」のです。

 

 

 

私は、どちらの思考法が良いか悪いかを判断するつもりはありません。

 

 

もちろん、現代社会においてビジネスを成長させるとき、「直線的思考」が優位なのは間違いないでしょう。

 

いちいち前例などに戻ってはいられないことも事実です。

細かなことはさておき、「まずはやってみる」ことが大切なのも、事実です。

 

 

ところが、こと「人を育てる」となると、私は円環的思考が有効だと考えます。

なぜなら、「もう一度、戻ることができる」からです。

 

人間なんて、今日成長したと思ったら、明日はまた元に戻ったように見える。

そんな生き物だからです。

これは、子育てに関わった人なら、誰でも心当たりのある事象だと思います。

 

 

そういう意味で、

人材育成に、「直線的思考」はむしろ邪魔になるでしょう。たとえば、

 

 

「人の成長には時間がかかる」と、口先では言いながら、

「ヤツは使えない」と、まるでモノのようなレッテルを貼る。

 

こうしたタイプのボスの存在は、いまだ少なくない気がします。

まるで「神」にでもなったかのような、全能感(笑)

 

 

あらためて...企業は、長期的に成長をすることが宿命づけられています。

それをまるで忘れてしまったかのような風潮に触れるたび、私は危機感を覚えます。

 

 

人の成長の速度は、人それぞれです。

 

何をもって「成長」と定義づけるのか。まずはそこから整理してみてみてはいかがでしょうか。

 

 

私が「企業の成長には風土改善が大切」といつもお伝えしているのは、こうした背景があるからなのです。

 

 

ヒントは「人の成長を促す環境」にあります。

 

今後もこのコラムで、答えをご一緒に探っていきましょう。

 

 

 

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

清原による【経営コラム】も、今年最後となります。

 

皆さま、よいお年をお迎えください。

 

 

~人生とビジネスをフローにするために★☆

◆◇◆ 今週の箴言(しんげん)◆◇◆
(ラ・ロシュフコーより)

 

「自己の腕前を人に示さないことことこそが、

 

真の腕前である」

 

 

※写真は「日本の専門コンサルタント100(2020年版)」に掲載された、私の紹介記事です。

「専門性の高い組織開発コンサルタント」として、紹介いただきました。

2018年につづき、2度目の掲載です。ますますがんばってまいります。

 

コンサル100

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