2020/01/22

ミスの報告について(米国航空業界にならう)

こんにちは。
リバース・フロウの清原です。

 

今年ほどの暖冬を経験したことは、生まれて初めてのような気がしています。

この調子でいくと、あの忌々しい「花粉」の飛散も早まるということです。

日本に、年々住みづらさを感じるようになりました。。。

 

 

仕事柄、私は会社の役員の方々と接する機会が多いのですが、次のような言葉をよく聞くことがあります。

 

それは、現役のいわゆる若手社員についての嘆きです。

 

例えば、

「彼らは、失敗を恐れすぎる」

「最初から、できない言い訳ばかりする」

「諦めてばかりで、チャレンジをしない」

「失敗しても、隠そうとする」

などなど…

 

皆さんも、どこかで何度か聞いたことのあるセリフではないでしょうか。

 

毎年春になると、どこかのナンセンスな団体が、頼まれもしないのに、

「今年の新入社員は~~タイプ」というレッテル貼りをして、ムダな消耗をしているように、

(https://diamond.jp/articles/-/198397)

とかく若手を中心に、シニア層は「もの足りない」という印象を持つものです。

 

要するに、

俺たちの若い頃のように、失敗を恐れずチャレンジしろ」と、彼らは言いたいのでしょう。

 

 

しかし、、、残念ながら、

この思想は、そもそも最初から”理論破綻”を起こしています。

 

 

簡単に分析してみましょう。

 

 

その1)俺たちの若い頃

 

これはおおむね30年前以上の時代を指していることが多いようです。

この当時のビジネス環境は、今とはまるで異世界です。

 

グローバリゼーション、規制緩和、人口構造、円ドルバランス、ICT、AI、自然環境にいたるまで、何から何までこの30年で変わってきているのです。

 

今とは比べ物にならないほどの「牧歌的な」環境にノスタルジーを感じるのはムリもありませんが、それを「俺たちと同じようなことをしろ」というのは、そもそもの無理があるでしょう。

 

 

 

その2)失敗を恐れるな

 

「本当にあなたは失敗を恐れなかったのですか?」と問いたいです。

脳の構造上、失敗を恐れない人はいません。

 

つまり、あの懐かしき時代は、失敗についてある程度の「リスクを計算」することができた時代なのです。

今よりも単純明快な構造の時代において、「この道を選べば、こうなるだろう」というおおよその予測は立てられたのです。

むしろ、それすら計算できない人は、本当にヤバイ人だったとも言えます。

 

ところが、今はどうでしょう?

あらゆる前提条件が変化するから、リスクが昔ほど簡単には計算できない世の中になっています。

リスクが計算できないということは、予測が困難な時代(VUCAとも言われています)ということですね。

 

これまでの方程式が成り立たない。。。

したがって、「失敗は怖い」に決まっているのです。

 

 

 

 

とはいえ、そう単純にものごとは片づけられません。

 

 

成長が宿命づけられた組織としては、「チャレンジしなくてよい」とは言えないでしょう。

私も経営者ですから、よくわかります。

 

チャレンジとはある程度リスクを負うものであり、そこから得られる経験は個人にとっても組織にとっても成長の糧になる。

ということは間違いなくあると思います。

 

 

そのうえで、社員に「チャレンジする」ことを推奨するために、考えなければならないことがあります。

 

 

それは、「ミスの報告」の扱いについてです。

 

 

チャレンジにはミスがつきもの。

この考えには誰にも否定できないでしょう。

 

 

しかし、本当にわかっている人がどれほどいるでしょうか。

 

「チャレンジにミスはつきものだ」と公言しておきながら、

いざ自部門でミスが起きると、

犯人を捜して、

処罰する。

 

 

よくあるパターンだと思います。

 

 

「ミスをすれば処罰される。

 

処罰されるくらいなら、リスクなど取らない」

 

 

多くの若者がこういう心理状態になっていたとしも、至極当然のですよね?

 

リスクを買って出る人なんて、いる方が珍しいのではないでしょうか。

 

 

こうしてみると、チャレンジという成長の機会を組織から奪っているのは、マネージャー自身だったりします。

 

 

 

ここで参考までに。

 

米国の航空業界を例に挙げます。

 

 

ここでは、どんな小さなミスも報告義務があります。

 

興味深いのは、

 

ミスを起こしても10日以内に報告すれば、処罰はされない決まりになっている、ということです。

 

さらに、高度を一定基準を外れたりすると、自動的にエラーレポートが本部に届けられるシステムになっているのですが、

データからは操縦士が特定されないようになっているそうです。

 

つまり、米国の航空業界は、ミスのデータを

犯人探しと処罰」のために使うのではなく、

「対処すべき問題の改善」のために使われているのです。

 

 

また、私が参加したある外資系の企業でも実際、

会議で堂々と自分の失敗を報告するマネージャーを見て、驚いたことがあります。

 

「今回の失敗は、●と●が原因と特定し、その解消のために次は●という戦術を試みようと思う」

といった具合に。

 

その会社は、「事業開拓に失敗はつきものだ」という考え方が真に社内に浸透されていました。

失敗の要員をどう分析し、次に役立てるのか、そのデータを蓄積することに価値が置かれていたのです。

当然、人事評価でもマイナスポイントはありません。

 

 

ミスの捉え方は、本当に大切だと思います。

 

つまり、ミスを、

「次の一手の精度を高めるためのデータ」

ととらえることです。

 

すると、よくある「繰り返し起きるミス」というのは、本来はなくなるはずなのです。

 

繰り返し起きるミス。。。これいったいはどう起きるのか。

 

ミスを起これば処罰されるので、それをなるべく隠そうとする。

明らかにならなかったミスは、分析できない。

だから、まったく「学び」に繋がらない。

したがって、またしても同じミスが起きる。

 

という具合に発生するのではないでしょうか。

 

 

組織として、ミスは成長のための「分析機会」ととらえてみてはいかがでしょうか。

 

 

それには、たったひとつのことを実行いただきたいのです。

 

「報告した人を、罰しない」

 

これさえ守られれば、組織はもっと風通しが良く、もっと成長の実感を得ていることだと思います。

 

 

失敗を学びに。

 

報告を歓迎する。

 

 

こんな組織が増えていく国であってほしいと心から望みます。

 

 

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

~人生とビジネスをフローにするために★☆

◆◇◆ 今週の箴言(しんげん)◆◇◆
(ラ・ロシュフコーより)

 

賢者はどんな不幸な出来事からも、
何かしらの利益を得る。

 

その一方で、
愚か者はどんな幸福な出来事にも、
心を傷つけられてしまう。

 

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