2021/04/05

新社会人へ「なんで信頼関係が大切なのか」

こんにちは。

 

いよいよ4月。さまざまな形でスタートを切った方にとっては、新鮮な日々を過ごされていることと思います。

 

そんな中で今回のコラムは、「新社会人へ」というテーマでさらに深めていきます。

 

今更だけど考えたい、信頼関係の大切さについてです。

 

 

■本当にあった笑えない話

もう7~8年前になるでしょうか。某メーカーの工場で、チームビルディングのワークショップを行っていたときのことです。

 

その研修には、工場長以下、従業員全員が参加していました。

ヒアリングやアンケートなど、事前の調査によって、その工場にはいくつかの課題があることが浮き彫りになっていました。

その結果を全員で共有した後、いくつかグループに分かれて、課題の原因、そして対策を立てていくのですが、その日はワークショップの初日でした。

 

もしかすると、ものづくりの現場であればよく聞くことかもしれませんが、

その工場で取り上げられた主な課題には、

例えば「在庫が減らない」、「品質のクレームが改善しない」、「ある製品群において納期遅れが常態化している」というものが、含まれていました。

 

が、それら諸々の課題を大きく引き離し、圧倒的に多く挙がった声があります。何だと思いますか?

 

それは、「この職場は、コミュニケーションがうまくいっていない」という不満でした。

それを裏付けるように、従業員アンケートでは、「管理職への信頼度」を示す指標が、業界および業種の平均を大きく下回るスコアとなっていたのです。

 

そして、真の問題が明るみに出たのは、このアンケートが当事者全員に開示された直後のことです。

 

私は全員が集合していた場で、工場で大きな影響力を持つと言われるA部長に対し、「この結果について、どう受け止めますか?」と、コメントを求めました。

するとA部長は、表情を少しも変えずに、こう言い放ちました。

「たしかにスコアは低いみたいだけど、信頼関係がなくったって、仕事はできるでしょ?違いますか?」。

 

他のグループにいる、若手や中堅社員から、声にならないため息が漏れたのを聞きました。

私はA部長のコメントにはすぐには反応せず、この人の上司である工場長に、視線を移してみました。

すると工場長、および周囲に座っていた部長の面々は、一様にニヤリとした笑みを浮かべているのがわかりました。

その静かな笑みの裏側を想像するに、

「まあ、A部長の言う通りだよな」あるいは「A部長、よく言ってくれた」という、おおむね同意しているときの笑みに私は感じました。

 

そして、そのまま私は今度、会場の後方でオブザーブをしていた、さらにその上司である、執行役員と、その横に座る工場人事の部長の方にも目をやりました。

すると、そのお二人の表情は、工場長たちとはまったく正反対のものでした。肩がこわばり、眉間にしわが寄り、スライドに表示されたスコアをにらみつけているようです。

 

 

■誰しも口先は「コミュニケーションが大事」と言う

 

私はコメントをしてくれたA部長にはなにも反応せず、今後は、工場長の方に歩いて近づいていきました。

そして、工場長の目を見て、嚙んで含むようにゆっくりとたずねました。

 

「工場長は、このままで、良いですか?」。

会場が一瞬ピリッとしたように感じました。

工場長の顔はそのとき一瞬でハッとした表情に変わり、「いえ、たしかに、この問題は、深刻ですね」と答えました。

「例えば?」私は質問を続けました。

「例えば。そうですね。やっぱり、こういうことが、若手が辞めていく原因にもなってるんじゃないかと。何とかしないと…そう思います」。

 

現場のリーダーのおごり。現場の若手のあきらめ。本部の怒りと心配。

組織開発のコンサルティングをする中で、こうした場面に遭うのは、じつは少なくありません。

 

この工場の場合、ひとくちに「コミュニケーション」の問題といっても、相当に根が深いという雰囲気は、伝わるでしょうか。

 

誰しも「コミュニケーションは大切だ」と言います。それを否定する人はいないでしょう。でも、なぜ、どれくらい大切なのかと問われると、自分の言葉でしっかり答えらえる人は、じつはそれほど多くありません。

 

 

■結論:風通しの良い組織はこうやってできる

 

ここで、テーマをコミュニケーションから「信頼関係」につながて、今さらですが一緒に考察してみましょう。

 

まず、結論からお伝えします。

 

「良い仕事をする組織は、信頼関係が強い」と、私は思っています。

そして、「信頼関係の強さは、人に対するポジティブな感情に比例する」。

さらに、「人に対するポジティブな感情は、コミュニケーションの質量に比例する」というのが私なりの持論です。

 

このように降りていくと、結果として、

「組織の強さって、コミュニケーションによって決定されるんだな」と見ることができますね。

 

その通りです。

すべての始まりは、コミュニケーションからだと言えるわけです。

 

ここで、簡単に、そのしくみを解説していきます。

 

<コミュニケーションと信頼関係の関係>

1)コミュニケーションが交わされる。 #気持ちに余裕を持つ

2)交わされる「情報」が増える。 #情報の流通量の増加

3)相手のことを、より深く知ることができる。 #人間関係の醸成

4)前よりも相手のことが好きになる。 #ポジティブ感情の増大

5)相手の言っていることや、求めていることが、よりわかるようになる。 #相互理解

6)お互いをサポートし合える関係が生まれる。 #信頼関係の構築

7)一緒に仕事をしていて、勘違いや、解釈ミスが減る。 #シナジーの創出

8)ミスや事故が減り、正確で質の良い仕事ができるようになる。 #生産性の向上

9)さらに、コミュニケーションが活性化されていく。 #風通しの良い組織 

  1. おわかりでしょうか。すべてはコミュニケーションから始まる、成功のループです。
  2. つまり、信頼関係はどれほど大切かと問われれば、
  3. 「みんなで良い仕事をするためには、絶対に外せない条件だ」と言えます。

 

コミュニケーションは大事、という説明は、このようにしていってはいかがでしょうか?

 

 

 

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

◆◇◆ 今週の箴言(しんげん)◆◇◆
(ラ・ロシュフコーより)

この世はいかに定めなく変わるように見えても
そこには目にみえぬ一種の連続があり、
常に摂理によってさだめられた秩序がある。
この摂理さえあればこそ、万物はそれぞれの列をすすみ、
その定命の流れに従うのである。

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