2020/10/27

頭痛がするほど難しい質問

こんにちは。

 

穏やかな秋晴れが続いていますね。

 

今日本当に久しぶりに都心に出たのですが、都のキャンペーンも手伝ってか、

想像を超える人出でした。

当社から見られる皇居の外堀あたりも、ちょっとずつ紅葉が見られます。

 

今年も残すところ2カ月少々。

WITHコロナの一年間は、あらためてじっくり振り返る価値がありそうです。

 

さて、今回は、私の専門領域からのテーマです。

 

多くの企業の経営者の方々とお話をしているときによく聞くのは、「社員の主体性」についてです。

これはコロナ前から変わっていないようです。

 

要は、「もっと社員には主体性を発揮してほしい」ということになります。

パンデミックにより、世界の隅々まで「パラダイムシフト」が行き渡った今も、そんな嘆きを聞くことは、不思議な感覚です。

 

同時に、焦燥感のようなものも覚えました。

「価値観がひっくり返る」という経験をしたのに、私たちははたして、こんなことをまだ経営者に言わせておいて良いのでしょうか?

企業が「正解」を見つけられず苦しんでいるのに、社員は主体性を眠らせたままで良いのでしょうか?

 

 

■今こそ問われる「あなたは何者なのか」

 

ふだんからコラムで書いていますが、「個」が「組織」をけん引すべきときは、今をおいて他にありません。

「個」が「組織」に対してかつてないほどの影響力を手にしたということは、もはや事実です。

 

ということを認識すれば、とうぜん考えなければならないのは、

「そんな自分は何者なのか」ということです。

 

しかし例えば、こんな風に質問されるのを嫌がる人がいます。

「あなたは、どうなりたいの?」

もちろん、何の前触れもなくこんなことを聞かれれば、多くの人は当惑するでしょう。質問が粗いし、あいまい。あるいは、何を知りたいのかわからない、と彼らは言います。

 

しかし、こうした質問が粗くて曖昧で、意図が不明確だとしても、それに向き合えないという心の状態は、やや深刻な問題を抱えているように思います。

 

なぜなら、こうした質問に答えられるのは、他の誰でもなく「私」しかいないからです。

 

職業柄、私は、わざとこんな曖昧な質問を投げかけることがありますが、

その真意は、「自分と向き合うことに慣れている人か、そうじゃないか」を見極めたいと思っているからです。

 

気持ち良いくらいに明快に答える人がいる一方で、もちろん明らかに嫌がる人もいます。

だからといって、後者の人がダメだと言っているわけではありません。

こうした人たちは、単に、「自分の声を落ち着いて聞く」習慣がないだけだと思っています。珍しいタイプではけっしてないとは思うのですが、こうしたタイプに自分が属しているなと思った人は、注意が必要です。なぜでしょう。

 

 

■みずから封じ込めてきた「直観」

 

それは、永らく自分の内にある生の声、つまり「直感」を封じ込めてきたからです。

忙しかったり、組織から任された仕事が多かったり、関わる人が多かったりと、さまざまな理由があるでしょうが、

永らく封じ込められた直感は、徐々に摩耗され、いずれ働かなくなってしまいます。

 

このような状態になると、人から言われたこと、任されたこと、頼まれたことに応じることだけに精いっぱいになり、結果、人から言われた範囲の中でしか動かなくなります。

自分で工夫してもっと良い仕事をしてみよう、とか、問題点を発見して提言してみよう、といった主体性はまず出てこなくなります。「言われたことしかやらない」と言われる人たちは、こうして出来上がるのです。

 

・直感をみずから封じ込める。

・判断基準が見当たらないから人の声に従順になる。

・人の判断基準で動いている自分、人の言われたことだけをしている自分に気づかず、自分じゃない人でもできることをいつまでも回し続ける。

 

つまり「主体性がない」とは、こうした一連のパターンから生まれる行動と言えます。

 

ここであらためて聞きます。「あなたは何者ですか?」。

個が組織にたいして大きな影響力をもつようになった今、

自分にしかわからない質問に、あえてまじめに取り組んでみるべきだと思います。

めんどくさい、むずかしい、という理由で避けてはいけません。

 

 

■瞑想よりもマインドフルよりも

 

よく言われる「己を知る」ということが、主体性を自由意志を回復させる第一歩です。

もっともシンプルな方法を、ここでお伝えします。なにも、毎日瞑想しようとかマインドフルになろう、ということではありません。

それは、簡単な「セルフコーチング」です。自分自身の中にある答えを探るために、自分に問いかける、という内省のワークです。

 

私は例えばこんなシンプルな質問を、自分によくします。

 

・自分は何ができる人か?何ができない人か?

・自分は何に価値を感じるか?何に価値を感じないか?

・自分の感情が高まるときはどんなときか?感情が動かないときはどんなときか?

・自分はどんなことをするのが好きか?どんなことをするのが嫌いか?

・自分はどんなことを正しいと思うか?どんなことが間違っていると思うか?

(何を受け入れられて、何を受け付けないか)

・自分はなぜ今「これ」をやっているのか?

(「これ」とは、仕事、趣味、子育て、いま手に取っている本など、自分が今関わっている無数の事柄)

・自分は人から何と言われているか?それについてどう思っているか?

・自分は自分の気持ちをどう扱っているか?

・自分は何者なのか?

 

何かを調べようと思えば、スマホでささっと答えが見つかる時代です。

一方でこれらの質問は、スマホでは探せません。そして、頭痛がするくらい、漠とした質問です。

 

しかし、答えがすぐ見つからないものには、それ相応の価値があります。

自分にしか答えられないことに向き合いましょう。主体性と自由を取り戻すために。

 

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

◆◇◆ 今週の箴言(しんげん)◆◇◆
(ラ・ロシュフコーより)

 

人はみな記憶力の
乏しさを嘆く。

しかし、誰も判断力の
乏しさを嘆かない。

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