質問力とプロンプト:ChatGPTとの対話を洗練させるために

こんにちは。
梅雨の晴れ間。暑いですが、爽やかな風が吹く瞬間は本当に気持ち良いですね。

今週、とある企業様で「質問力トレーニング」をおこないました。
そこからの洞察を、今回のコラムで書きます。

①プロンプトエンジニアリングとは何?
今年に入って、ChatGPTが登場しました。
その存在というのは、これまでに私たちが触れてきたAIが、まるでこどものオモチャだったのかと錯覚するほど、ぶっちぎりで影響力が大きなものとなっていますね。

そして、この生成AIと適切にコミュニケーションをとるためには「プロンプトエンジニアリング」と言われる技術が必要らしい、ということも明らかになりましたね。

プロンプトエンジニアリングとは、AIに対して適切な質問やコマンドを投げかけ、望む結果を引き出すスキルのことです。
この腕前が上がると、AIはより有用で価値ある情報を提供してくれるようになる、というわけです。

まるで、ジュニアクラスだった部下を短期間のうちに、成熟した社員に育て上げるかのようなスキルです。

※参考までに、『プロンプトエンジニアリング』についての指南書が無料公開されています。興味深いですね。
Prompt Engineering Guide | Prompt Engineering Guide (promptingguide.ai)

②やはり”質問力”が見直されている
一方で、私たちが人間どうしコミュニケーションを取るときに重要な要素のひとつが、「質問力」です。
相手の情報を引き出し、相手をより深く理解し、コミュニケーションの質を上げるためのスキルです。
上手な質問というのは、会話をより深く、より意味のあるものにすることができます。

「この問題の正解が何なのか?」
VUCAといわれる昨今、過去あった成功の方程式の多くは、もうカビが生えて使えません。
答えを誰かが与えてくれるのを待つのでなく、当事者たちの胸の内に眠る、言葉にならない”思い”や”視点”を引き出すには、やはり「質問力」が必要なのです。
結局、問題について答えを出していくのは、”ヒト”なのですから。

③ プロンプトエンジニアリングと質問力の関連性
では、プロンプトエンジニアリングと質問力には、どんな関連性があるのか?

一言でいうと、「良い質問」を作り出す能力が必要であることが、共通しています。
これはAIに対しても、人間に対しても同じです。より良い結果を得るためには、より良い質問を投げかける必要があります。

そうするためには、こちらが正確に理解できるまで、相手の思考や情報を丁寧に引き出すというプロセスを経なければなりません。
粘り強く、丁寧に、目的を逸らさない努力も、もちろん同時に大切です。

④質問力を磨くための3つの方法
結局、相手がAIであれ人間であれば、まずはこちら側が、「良いコミュニケーター」になる必要がありそうです。
だからこそ、質問力を磨くことはこれからの時代においてますます重要になってくるのです。

ここから、具体的に質問力を磨くために効果的な方法を、3つ紹介していきます。

1. オープンエンドの質問を使う
「はい」や「いいえ」という限定された答えではなく、詳しい情報や意見をもっと自由に、幅広く引き出すための、開かれた質問のことです。
「どう思いますか?」や「どう感じましたか?」などの質問は、対話者により深く考え、より具体的な回答を促します。
これは人間の対話だけでなく、AIとの対話にも適用できます。例えば、「天気は晴れる?」と問うよりも、「週末の天気はどうなるの?」と問う方が、より詳細な予報を得ることができますね。

2. AIにも傾聴を実践する
AIに傾聴??
はい(^^
傾聴とは、相手が話すことに集中し、理解し、フィードバックを提供する技術です。質問を通じて得た情報を深く理解し、それに基づいてさらに質問を重ねることで、対話者との理解を深めることができます。

もちろんAIに対しては、傾聴を直接おこなうことはできません。
が、必要となってくるのは、そのスタンスは重要です。
つまり、AIからの反応を注意深く観察し、理解し、それにもとづいてさらに具体的な質問を重ねる、という行為です。
これによって、より深い理解を得ることができるのです。

3. 反射的な質問を活用する
相手の発言をいったん引き取って、繰り返す。あるいは、同じような表現で再度問いかける方法です。
これによって対話者は、自分の考えを再評価し、より詳細に説明することを促されます。

AIとの対話においてもこの質問力が、特に重要です。
なぜならAIというのは、私たちが提供する情報にもとづいて反応を生成し、情報を提供する、という特徴を持ちます。
つまり、私たちがAIに投げかける質問や、指示の精度。これらの具体性が高まれば高まるほど、AIから得られる結果も、より具体的で有用なものになる、ということです。
例えば、「天気予報は雨です」とAIが答えた場合、「雨の予報は一日中なの?」とさらに詳細を問いかけることで、より具体的な情報を得ることができる、というわけです。

いかがでしょうか。
人間どうしの対話、AIとの対話、それら両方に共通しているのは、「その質を高めたい」という私たちの欲求です。

プロンプトのコツは、質問のコツ
こうした方法を使うことで、AIとの対話も、大切な相手との対話も、より明確で、具体的で、そして有益なものになるのではないでしょうか。

相手がどっちであろうと、質の高いコミュニケーションは、人生に豊かさを与えてくれることは、間違いなさそうです。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※トップ画像は、AIに描かせてみました。

<今週の箴言>
偉人の名声は、それを得るために用いられた手段によって
評価されるべきである。

ラ・ロシュフコー

※note きよはらつよし(清原豪士)より転載

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