1on1ミーティングが崩壊するとき

こんにちは。
新入社員が会社にフレッシュな空気を届けてくれるシーズンですね。

今回は、たくさんの企業がおこなっている上司と部下との意図的な対話、いわゆる「1on1」あるいは「1on1ミーティング」について、考察します。

1on1のやり方、というのはたくさんの知見があります。
その反対に、1on1がうまくいかないときのパターンについては、あまり触れられているコンテンツがないかもしれません。

「会社で1on1を推進されているけど、部下が心を開いてくれない」
「いつもコミュニケーションはとれているので、あらたまって1on1で取り上げる話はない」
など、多くの声を私も聞きます。
両者は似ていないようで、じつは本質的な課題が同じだったりします。

なぜ、1on1を充実させられないのか
対話がうまくいかない根本的な理由は、シンプルです。
それは、対話者のどちらかが「自分は大切にされている」と実感できない状態にあるからです。
言い換えれば、対話に必要な安全性が欠けている、という心理状態です。

上司(場合によっては部下)が相手に対し、これから挙げる2つの要素をバランスよく組み入れられていないのが、その理由と言えます。

「自分が大切にされている」と実感できるための2つの要素

相手が「自分は大切にされている」と思うためには、必要な要素があります。
これはつまり、相手に対する「愛情」を注ぐ行為ともなります。

それは
相手のために「時間を取ること」と、相手に「注意を向けること」です。
これは、同時に行われなければならず、そのバランスが崩れてはいけません。
つまり、途中でやめたくなる対話というのは、このバランスの欠如に原因があるわけです。

こんな態度をしていませんか?
相手に「注意」だけを払って「時間」を割かないことは、無関心と同じことです。反対に、
相手のために「時間」を取っているのに、その間「注意」を向けないのは、無作法となり得ます。

例えば、
1on1の間、お互い時間を取って席についているにも関わらず、上司が部下に注意を払っていない、ということはよくあるのではないでしょうか?
これは、時間を取っているにも関わらず、相手に注意を払っていないという典型的な崩壊パターンです。

また、
1on1ではない日常の場面、その部下のことに注意を払っているのになにもリアクションをしない上司も、部下当人にとっては「私には無関心なんだ」とがっかりさせているだけです。

このパターンはいずれも本質的に共通しているのは、
部下に安心感を持たせてあげられていない上司である、という点です。

ただでさえ上司は評価者です。
「忙しいのに、わざわざ1on1の時間を取ってやってる」
「1on1なんかやらなくても、私は部下のことをよく見ている」

つまり、対話の基盤すら作れていない上司に共通する問題点なのです。

愛情を示すことは、態度でなく「行動」
これからの職場の在り方は、より「個々」にフォーカスが当たりやすいカルチャーが求められます。

「注意を向けること」と「時間を取ること」。
対話に臨む姿勢には、両方が不可欠であり、相手を大切にする基盤になります。
うまい話術や、こなれたツールなどで誤魔化すのではなく、今目の前にいる部下の存在に、とにかく集中してみることから、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

<今週の箴言>
人に退屈だと思われないようにすることを大切だと思っている人々に限って、きまってわれわれを飽きさせる。

ラ・ロシュフコー「箴言集」より

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