なぜこんなに会議が多いのか?「生産の泥沼」を抜け出そう

こんにちは。
花粉症歴37年目に突入しました、協働デザイナーの清原です。
この季節は、雨の日に妙にテンションが上がります。

さて、今回は、「会議を減らせないのか?」という、多くのマネージャーの声なき声に、インスピレーションを与えられたらな、とコラムを書くことにしました。

そもそもの疑問なのですが、一日中すきまなく会議をやってて、生産性は上がりましたか?
その成果は私にもわかりませんが、誰だってやりたくたくてやっているわけじゃないのは、たしかなようです。

じゃあ、なんでそんなことになっているのか?

■会議を減らせない理由
理由の第1位は、「断れないから」のようです。
あ、裏付けはありません。私がたくさんのクライアントから集めた見聞にしかすぎません。
が、たしかに圧倒的多数の人たちが、会議をやめられないのは「断れないからだ」というのです。
そして、大半の会議にたいして、
「めんどくさい」(勝手にスケジュールを入れられた)、
「仕方なく出てる」(上司から参加しろと言われた)、
「自分が出なくても回る」(なんで自分が参加してるんだと思いながら座ってる)

と思っています。

え?じゃあ、なんで出てるのですか…?
とまた、同じ質問に戻ってしまいそうになります。

■会議は「生産性の泥沼」か?
このように、会議というのは時として、生産性の足を引っ張る存在になってしまっているようです。
でも、会議は必要…
「企業社会の7不思議」のひとつですね。(あと6つはこれから考えます)

昨日(日曜の朝)、友人で元クライアントでもある、企業の社長さんとカフェで雑談を楽しんでいました。
その企業は、日本とベトナム、シンガポールでビジネスを展開されていますが、なんというか、人が集まっておこなう会議がほとんど存在しないのです。
いや、存在しないというよりは、会議自体の価値がものすごく高く、かつ重要になっているので、めったなことでは開かれない、というのです。

その背景を語るのは、また別の場にするとして、とにかく会議がほとんどなくて、ものすごい生産性の向上を実現しているのです。

「世の中の会議の50%は減らせるだろうな」。
私は日ごろからなんとなく思っていましたが、この事実を聞いて、ほとんど確信に変わりました。

■誰もが会議で「他人の時間」を奪っている
DXが進んだとはいえ、人と人が直接会って話す機会は、変わらず貴重なものだと思います。
ただ、中途半端な目的で人を集めるのは、その人の人生やキャリアの貴重な資源を奪っている、ということになります。

有名な企業の例ですが、いくつかユニークな会議に取り組んでいる例をリサーチしてみました。

どれも、「生産性の泥沼」から脱却するどころではない、驚くべき成果を上げています。

1.Amazon: 『サイレントミーティング』
Amazonでは、ジェフ・ベゾスが導入した「サイレントミーティング」が有名です。会議の初めに、参加者全員で会議資料の読み合わせから始めます。
これは「5分間」です。この間は完全に無言で、資料の内容を深く理解することに集中します。読み終わった後、質疑応答やディスカッションが行われます。

成果: 会議の時間を大幅に短縮し、参加者全員が同じ情報レベルからスタートできるようにすることで、より生産的な議論を促進します。また、準備不足のプレゼンテーションを避け、内容の質を高める効果が出ています。

2.Google: 『ウォーキングミーティング』
従来の会議室での会議に代わる形としてこのスタイルを推奨しています。参加者はキャンパス内を歩きながら会議を行い、リラックスした環境の中で自由にアイデアを交換します。

成果: 創造性とエネルギーレベルの向上に寄与している、とのことです。また、健康的なライフスタイルを促進し、従業員のウェルビーイングにも貢献していると、多くの従業員が答えています。

3.パタゴニア: 『サーフィンOKミーティング』
個人的に大好きな企業です。このミーティングは有名ですね。
環境に優しいアウトドアブランドとして知られるパタゴニアは、従業員がサーフィンを楽しむことを奨励しています。条件が良ければ、会議を海辺で行ったり、サーフィンの後にディスカッションを行ったりします。

成果: このユニークすぎるアプローチは、従業員の満足度を高め、クリエイティブなアイデアの源泉となっている、と従業員は答えています。
また、ブランドのアイデンティティを強化する効果も生まれていて、顧客との精神的な強い結びつきを築いています。

4.グリー:『体育座り会議』

時間を調整して、会議室の予約をして…なんて固定概念を覆すスタイル!オフィスの壁に5m以上あるホワイトボードが貼ってあり、「ちょっとみんな集まってー」といったようなラフな感じで会議が始まります。机も椅子もないので皆思い思いの姿勢で会議に参加しています。
普通サイズのホワイトボードだと会議の間に消して書いてを繰り返す時間と手間がかかってしまいますよね。これでは、ブレストやロードマップの履歴が一目でわからなくなってしまいます。巨大なホワイトボードであれば消す必要がないので会議の流れが一瞬でわかるため非常に効率的なのです。

U-NOTE:会議の概念を覆す!各企業の効率的でユニークな会議をまとめてみた – U-NOTE[ユーノート] – 仕事を楽しく、毎日をかっこ良く。 –


いかがですか?
会議のやり方ひとつ取っても、「生産性」と真剣に向き合ったとき、たくさんの工夫が生まれています。

■まずは会議自体の価値を見直しましょう
会議は、「参加した人たちの数×資源」が投入されている場

もしも会社が「社員を大切にする」と唱っておきながら、むやみやたらに会議を入れまくっているなら、それは、
「社員の時間を食いつぶしている」ということになります。
社員に対し、組織として不誠実と言わざるを得ませんん。

まずは、「当社にとって、会議とは何だ?」という議論を尽くすべきなのです。

だいたいのことがオンラインで完結するのに、
わざわざ出向いて、時間を投じる。
そんなことまでしなければならない会議とは、いったいどんな存在であるべきなのでしょう?

まさか、

・事前に配布されている資料を、わざわざ会議のなかでプレゼンさせていませんか?

・一回も発言しない人を、会議に入れていませんか?

・あいまいなアジェンダのまま参加させて、上位者が勝手な発言で皆を迷走させていませんか?

「会議を招集する権利」を持つマネージャーは、ものすごく責任重大です。
メンバーの「人生の一部を拝借する」、という自覚はありますか?

世の中の会議の50%は、不要です。
それは、会議のありようを考え直すことによって必ず実現できます。

無駄な会議を減らし、ちゃんと生産性を上げましょう。

いつでもお気軽にご相談ください。
チームビルディングの観点から、いくつかの助言もさせていただきます。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
花粉のない世界を夢見て、今年も夏を待ちます(笑)

<今週の箴言>
人は、虚栄が話せと、そそのかさない限り、口をきかない。

ラ・ロシュフコー

※note きよはらつよし(清原豪士)より転載

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