「変われる人」はここだけが違う

こんにちは。
今月は、久々に2週間ほど出張に行っていました。
各地でさまざまなご縁が生まれ、感謝の7月です。

今回のテーマは、「変われる人が備えているたった1つの特徴」について、お伝えします。

ビジネスコーチングで伴走するクライアントの中でも、際立った成果を挙げる人たちが共通して持っている、最大の特徴です。

■「変わる」とはどういうことか?
コーチングのクライアントになる方は、当然ですが、誰しも「私は変わりたい」とおっしゃいます。
でも、「変わる」って、いったい何なんでしょう?

私は、「変わる」には、大きく分けて2つの意味が存在すると思っています。

ひとつは、「進化する」
ひとつは、「脱却する」

です。

「進化する」とは、
自分がもっている力をより強くしたり、弱い部分を改善することで、自分という原形をより良く変化させること。

「脱却する」とは、
自分という原形をいっさい捨て去り、新たな価値観をインストールして、まったく違う自分になること。

こんな二つの意味があるのではないかと思います。

コーチングを希望するクライアントに
「どんな風に変わりたいのですか?」と聞いてみると、
だいたいが、後者つまり「脱却する」イメージで語ることが多いのです。

■ムリなことをやろうとしていないか?
「脱却する」ことは、ハッキリ申し上げて、どんな人でも難しいと思います。

ビジネスの文脈で「進化をする」というのは、「まったく別人になる」ということと、本質的に矛盾しているからです。

だって、過去の自分がビジネスにおいて評価されたから、今の自分があるわけです。
今さらまったく別人になってもらっても、周りが混乱するだけです。

だいたいにおいて、日本人のビジネスパーソンはマジメすぎます…
何度か失敗すると、哀れなほどに自己嫌悪に陥り、それがゆえに「別人になりたい」と願う傾向にあるように思います。

どんなに努力しても、私たちは別人にはなれないのです。

「別人のように変わった」という人がいるとすれば、
その人はおそらく、
生死の境に立つほどの危険な目に遭ったり、
命の危険を感じるほどの修羅場に立ったり、
そんな、尋常じゃない経験をした人たちでしょう。

崖から落ちたり、ヤ〇ザに監禁されたりした人を、私は知っていますが、
そんなこと、通常のビジネスで味わうことは、まずないでしょう。

だから、
自分を過度に追い込んだり、
過度に期待することを、
まずはやめるべきなのです。

つまりコーチングでの「変わる」とは、「進化する」という意味でとらえていただきたいのです。

■人はどうやって変わっていくのか?
コーチングは「行動変容」を促します。
周りが目を見張るほどに進化した人たちは、おおむねこんな過程を経ていきます。

1.「動揺」期

2.「自信喪失・受け入れ」期

3.「自信回復」期

4.「影響力発揮」期

1.「動揺」期
自分が思う自分と、周りの評価が違いすぎていて、ショックを受ける時期。
だいたいどんな人でも、ここは相当なショックを受けます。
しかし、行動変容はここから始まりますし、ここを通過しないと行動変容はできません。

2.「自信喪失・受け入れ」期
つらい事実を突きつけられ、自信を失う人もいます。憤りをあらわにする人もいます。
私が聞いた話によると、周りからの評価が記載された紙を、ビリビリに破り捨てた人もいるらしいです。
そしてやがて、あきらめという感覚、つまり、「事実として受け入れる」時期が来る人がいます。

ですが一方で、受け入れない人もいます。
目をそらし、言い訳を並べ、周りが自分をわかっていないんだという人です。

つまり、次の3のステップへ移行できるのは、
耳の痛い話を「事実として受け入れられた人」だけ
なのです。

3.「自信回復」期
いったん不都合な事実を受け入れた人は、本当に強くなります。
「やるしかない」という気持ちになるわけです。
周りからも、「おや?」と変化に気づくリアクションが生まれてきます。
ここから、行動変容に勢いが出てきます。

4.「影響力発揮」期
周りの反応を見て、手ごたえを感じると、行動変容は継続します。
ぼんやりだった周りの反応は、この時期になると、チラホラと明確な成果になって表れてきます。
つまり、その人の力が、「良い影響力」に転換される時期です。

■「すごく変われた人たち」の共通点
この変容のプロセスを見てみると、「際立った成果を挙げる人」が持つ共通点がわかるでしょう。

それは、「自分にとってイヤな事実を、受け入れる」ことなのです。

簡単に聞こえますが、はたしてそうでしょうか?

私は行動変容に伴走している実感として、
ここを本当に通過した人は、そんなに多くない印象です。

それは、事実を「受け入れているフリ」をしている人が、一定数いる、ということです。
よくあるリアクションが、
「だれが、こんなことを言ってるんです?」だったり(これは最悪)、
「まあ、言われていることは、予想の範囲でしたね」だったり、
だいたいが、これに似たものになります。

受け入れるとは、
受け流す、でもなく
受け取るだけ、でもないのです。

「すごく変われた人」たちは、
あまりにショックで涙が出たり、
悔しくて眠れなかったり、
「自分はだめかもしれない」と自信をなくしかけたり、
内面で混乱をきたす、その苦しさを、そのまま受け止める時期を過ごすのです。

ともすると、「職場で皆の顔を見るのが怖い」という苦しみを抱えるかもしれません。

でも、ここを、スマートにやり過ごす方法は存在しないのです。
自分ととことん向き合う時期。
辛いですが、これを受け入れたら、やることはひとつです。

■どうやったら自分を好きになれるか?
それは、「どうやったら自分をもっと好きになれるか」に目を向けることです。

逃げないで、受け入れた人だけが手にする、真の進化です。

私は、この時期までがんばった人にだけ、お伝えすることがあります。
それは、
「本来の、あなたらしさに戻っても良いのでは?」
ということです。

会社からの期待に応えるため、多くの人が勘違いをしています。
それは、
「成果を挙げるためには、別人にならないといけない」
という、不思議な勘違いです。

別人になったら成果が挙がる、という理屈はわかるようでわかりません。
成果を挙げる人は、その逆です。

本来の自分に戻ってこそ、周りがついてくるのです。
「なんでもできるリーダー」なんて、魅力はないです。
「できることと、できないことがわかっているリーダー」に魅力を感じるわけです。
「助けてくれ」と言えるリーダーに、魅力を感じるわけです。

■ここで変われない人は、この先もう変われない
こうして、変われる人には、つらい時期のあとに、ものすごく幸福な時期がやってきます。
周りから、強いサポートが得られるのです。

それは何より、「つらいことを受け入れ、本来の自分に戻る」というプロセスを経たからです。

繰り返しますが、最初に「辛いことを受け入れた人」は、本当に強いのです。
ですから、その見返りも大きいわけです。

そして、受け入れるフリをした人は、結局、何もかもが中途半端になり、かえってコーチングを受ける前よりも、評判を落とします。
それもやはり、最初の辛さから逃げた「見返り」になってしまうのです。

最後に、繰り返します。

人が変わる、とは、別人になることでなく、
進化する、ということです。

それには、耳の痛い話を正面から受け入れることです。

それを通過すると、「本来の自分に戻る」ことが結局、いちばんの得策だと気づくときが来るのです。

行動変容の伴走をしていて、とらえた事実をお伝えしました。

今よりもハッピーな未来を望むなら、
自分がどう変われば良いか、周りに聞けば良いだけです。

そこからどう取り組むかは、よければ私にご相談ください。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

<今週の箴言>
あまり利口でない人たちは、
一般に自分のおよび得ない事柄については
なんでもけなす

ラ・ロシュフコー

※note きよはらつよし(清原豪士)より転載

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