対話から「答え」が生まれるとき

こんにちは。
協働デザイナー、プロファシリテーター、プロコーチの清原です。
この度の台風で被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。

今回のコラムは、
「創造的対話」に必要な視点についてお伝えします。

■創造的対話とは
創造的対話とは、新たな意味づけやアイデアが創発される対話のことです。

過去の常識にとらわれて身動きが取れないとき、未来に焦点を当てて答えを探っていく対話プロセス、のことですね。

この創造的対話に必要なルールは、大きく分けて3つあると思います。

その①「お互いの視点が未来に向かっていること」
その②「お互いが対話の作法を守ること」
その③「楽しめる対話であること」

対話で難しいのは、自分の価値観やバイアスにとらわれてしまうときです。
たいていそういうときは、相手の価値観やバイアスを理解する余裕がなくなります。
いわゆる、「押し付け合い」ですね。
ここから生まれるのは、お互いが「嫌な気分になる」ということぐらいです。
「話さなきゃよかった」となるでしょう。

“なんちゃって1on1”などと私はよく呼びますが、これが上司と部下との間でしょっちゅう起きるケースですね。
上記のルールが3つとも守られていない典型例です。

■答えが生まれる対話の図
ここで、私なりに作ってみた、「創造的対話」の図をご覧ください。

創造的対話における視点の座標(株式会社リバース・フロウ)


ルール①「お互いの視点が未来に向かっていること」について解説した図です。

創造的対話は、
支援者の視点が、「未来」に置かれていて、かつ
依頼者の視点も、「未来」に置かれている、という状態が必要です。

「未来」の部分で重なり合っているという、座標が生まれた状態ですね。
この座標を、スマホのようにピンチアウトして対話をしていきましょう。

現状にすぐ戻って考えたくなるのが、人の習性ではありますが、そこを大きくブラすことなく、未来に焦点を当てた対話ができれば、お互いが「現在を俯瞰する」ということが可能になります。

メタ認知ができている状態ですね。
手に入れたい未来から現状をメタ認知できれば、取り組むべき本質的な課題が、前よりもクッキリと見えてきます。

■堂々巡りや押し付け合いになっていませんか?
コーチやコンサルタント、あるいはプロのアドバイザーが備えているはずの、この視点の座標。
しかし、案外そのことを理解しているプロフェッショナルは、そんなに多くないというのが実感です。。。

よくあるのが、「同調」で終わる対話。
あるいは、「一方的な押し付け」で終わる対話。など

対話をするお互いの視点が、どこに置かれいるのか、それすら構わず話し合えば、必ず、どちらか一方が「モヤモヤ」することになります。

例えば、
「同調」の場合は支援者側(上司やコーチ)がモヤモヤします。
なぜなら、相手の気持ちに「そうそう」と調子を合わせているだけだから、
なにも解決らしきことができないからです。
「自分は相手の役に立ってない」とうすうす気づくことになります。

「一方的な押し付け」の場合は、相談者(部下やクライアント)がモヤモヤします。
気持ちを汲んでもらえない。
提案も聞いてもらえない。
ただ「上から押さえつけられた」というイヤな気分になるだけです。

■状況やテーマに応じて柔軟に視点を置き換える
創造的対話は、特殊なケースで役に立つ対話プロセスです。
視点をいつも「未来」に置けば良いっていう話ではありません。

タスクの検証や振り返りをするとき、
進捗の確認をするとき、
など。

視点は、現在、過去、どこに置けばよいのか、意識してみましょう。
臨機応変に、視点合わせを行いましょう。

そして創造的対話は、他にもルールの②と③が守られないと、うまくいきません。
どちらか一方がわかっているのではなく、
互いの認識を合わせたうえで、取り組んでみましょう。

この創造的対話手法については、当社が10月からスタートさせる
「エマージェンスコーチ養成スクール」にて、習得が可能です。

詳細は、こちらからご確認ください↓
http://re-flow.co.jp/2022/08/29/emcs001/


今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

<今週の箴言>
ほんとうの勇気というものは、
目撃者のいない場合に示される。

ラ・ロシュフコー

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