無視できない”潜在意識”の働きと仕事パフォーマンスの関係

こんにちは。
最近の気温の乱高下で、体調を崩されている方も多いと聞きます。
お気をつけください。

今回は、私たち誰もが持つ「潜在意識」というものに焦点を当てて、仕事のパフォーマンスとの関連性を考察していきます。

けっしてスピリチュアルなお話ではありませんので、ご安心ください。

その①「氷山の下に眠る力」
やや唐突なテーマだと思われたかもしれませんが、近年
「潜在意識の働きが私たちのパフォーマンスに与える影響について」の研究・実証例を、著しくたくさん目にするようになりました。

仕事で優れたパフォーマンスを出すには、
ビジネス関連のスキルやナレッジも大切ですが、
もはや、この潜在意識の存在を無視するわけにはいかなくなっています。

例えば、著名な経済学者である田坂広志氏は、その著書で、「ゼロポイントフィールド」という物理学の概念を挙げて、解説されています。
※ご興味ある方は調べてみてください。

潜在意識とはなにか?
よく聞く例えですが、
「私たちの心は大海に浮かぶ氷山のようなもの。見えている部分が意識で、水面下に広がっている部分が潜在意識」
と表現されます。

日々の生活で、私たちの主な行動は「意識」によって生まれる、と思われがちですが、じつは行動を起こしている90%の要因が、「潜在意識」だと言われています。
私たちが意識と呼ぶ「顕在意識」は、わずかに10%の影響力しか持ちません。

「意識」が水面上に浮かぶ氷山の一部でしかないように、
私たちの思考や行動の多くは、水面下に沈む「潜在意識(無意識)」によって支配されている、ということです。

氷山の図 ※AI作成

潜在意識ってなに?
「もっと意識を変えろ!」
「何度同じミスを繰り返すんだ!」など、
上司・部下の間で、よく交わされるおなじみの「反省」を促すやり取り。

じつはこれも、潜在意識について理解が深まると、
「それは、言うだけ無理なんじゃ…?」ということなります。
こうしたやり取りにほんとんど意味も効果もない…というわけです。

潜在意識とは、過去の経験や学んだ知識を保存している記憶の倉庫のようなものです。それらが形成する思考パターンは、自分の行動や意思決定に大きな影響を与えます。

また、潜在意識には、「繰り返しおこなった行動を自動化する」働きがあります。
これは毎日のルーティンをスムーズにこなすためには、たいへん便利です。

しかし、そうはいっても、私たちの仕事は、ルーティンばかりではありません。
今よりも仕事のパフォーマンスを上げるためには、新しいアイデアや視点が必要な場合もありますよね?

そんなとき、既存のパターンが強く自動化されていると、新しい可能性に気づくことができなくなることがあるのです。

③潜在意識がブレーキになるとき
例えば、新しいプロジェクトにチャレンジしたい!と思ったとします。
でも、もしその人の潜在意識に「過去の失敗経験」が記憶されていたとすると、いくら本人が「必ず成功させます!」といったところで、
まったく本人が意識しないところ(潜在意識)で「あのときの失敗経験」にもとづく不安が影響し、その行動にブレーキをかけることがあります。

恐ろしいのは、「成功させます!」と強く宣言すればするほど、
潜在意識は、その何十倍ものパワーで「ムリだ!」と制限してしまう、ということです。

これは、潜在意識が自己保護のために働いていると言われていますが、場合によっては、パフォーマンスの障害になってしまうこともあるのです。

つまり、
潜在意識にネガティブな要素が入っていたら、
いくらやる気になっていたとしても、行動に勝手にブレーキがかかり、失敗を招く、ということなのです…

潜在意識のとおりに結果が引き寄せられてしまう、ということのようです。
潜在意識:ポジティブ → 行動と結果:ポジティブ
潜在意識:ネガティブ → 行動と結果:ネガティブ

といった感じですね。

④潜在意識は再プログラミングできるらしい
「私たちの行動パターンとその結果は、潜在意識の働きによってほとんどを掌握されている」
この理屈がわかれば、
例えばダイエットをはじめとする「行動変容」が、長続きしない理由もわかりますよね?

では、本当に長続きできる行動に変えようとすれば、どうしたら良いか?
それは、
①潜在意識にどんな行動や思考パターンがプログラミングされているのかをまず把握し
②理想のパターンを再プログラミングすること

が有効です。

どうやら、本当にこの「再プログラミングする」というのは、可能らしいのです。

「反省をしても、いっこうに結果が良くならい」
「理系の分野はどうしても苦手」
「私には営業のセンスがない」
「食事の後のスイーツが、どうしてもやめられない」

など、誰しも自分や他人の習慣に、心配や不安、不満があると思います。

これはもしかすると、自分自身の「行動」ではなく、「潜在意識」へのアプローチが必要なのかもしれませんね。

では、上記の有効なアプローチについて、シンプルにヒントを考察したいと思います。

ヒントその1.「フィードバックと内省」
自分の行動パターンはわかっているようでわかっていない、ということが多いですよね。

内省というのは、自分の行動や感情、考え方を客観的に眺め、それらがどのような結果を生んでいるかを理解することです。
そして内省は、他人からフィードバックを受け取ることによって、自己理解を助けてくれます。

他人の視点から自分の行動を見ることで、自分だけでは気づかない思考パターンや行動パターンを見つけることができます。

私がリーダーの皆さんにとにかく伝えている、
「上司からだけじゃなく、部下からもフィードバックをもらってください」
という理屈が、ここにあります。

役職のある人は、ほんとに自己批判から逃げがちです…
耳の痛い話を聞かないと、行動は変えられないことも多いのです。
指摘をしてくれるうちが、華。これは真実です。

⑥ヒントその2.「潜在意識の再プログラミングへ」
フィードバックや内省を通じて自分の潜在意識の働きを理解したら、次はそれを再プログラミングする作業に移ります。
再プログラミングとは、潜在意識の中の認識を、変えてしまうことを指します。

つまり、
今の行動や結果に「ネガティブ」な影響を与えている思い込みやパターンを、「ポジティブ」に塗り替えていく
ということです。

過去、うまくいかなったこと。
それを
「たしかに以前はうまく行かなかった。でも今回は、きっとうまくいく」
「あの経験は、尊い学びだった」
「マイナスだけではなく、プラスの面もあった。それは~だ」
「次に成功するための糧なんだ」

という、ポジティブな思考パターンに変えるのです。
根拠とか、そういったものは、ここには必要ありません。

認識の書き換え。これが再プログラミングの成功のカギです。

⑦新たなパフォーマンスへ
このように、思考パターンを変えることで、「意識」上で行われる行為、そして仕事のパフォーマンスを向上させることが可能になります。

過去の失敗や、他人から言われたことに縛られ、チャレンジを避けるのではなく、新しい可能性に目を向けて積極的に行動することができます。
また、新たな視点やアイデアを追求することで、自分だけでなくチーム全体のパフォーマンスも向上させることが可能になります。

いかがでしょうか。
量子物理学で実証が進む、素粒子レベルで語られるロジック。
「大いなる知恵」や「サムシンググレート」など、さまざまな言われ方がなされてきました。

もしも、
「いくらがんばっても、仕事のパフォーマンスを上げられない」と悩んでいたら、それは、スキルやナレッジのせいじゃないかもしれません。
パフォーマンスを出させないようにしている、何かしらのネガティブ要因が潜在意識にあるから、なのかもしれませんね。

人事を尽くしたら、あとは天命を待つ。

できるかぎりの努力をしても、結果が出ないなら、
やり方が間違っているか
あるいは、
力の出し方が間違っているか
のどちらかです。

私たちがもっと生きやすくなるためには、自己理解を深め、潜在意識の働きについて理解することも、悪くない方法だと思いませんか?

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

<今週の箴言>
われわれは、あまりにも他人の前に自分を偽装するのに慣れているので、
しまいには自分の前にまで自分を偽装するようになる。

ラ・ロシュフコー


出典:
[1] Freud, S. (1923). The Ego and the Id.
[2] Jung, C. (1960). On the Nature of the Psyche.
[3] Duhigg, C. (2012). The Power of Habit: Why We Do What We

※note きよはらつよし(清原豪士)より転載

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