新社会人へ「情報の取り扱い方」

皆さん。こんにちは。
いまだに花粉に悩まされているのは、私だけでしょうか?

早いもので新年度が始まって、ひと月が過ぎようとしていますね。
今回のコラムも、新社会人の皆さんに読んでほしい内容です。
今このタイミングだからこそ身につけておけば、きっと将来、自分を助けてくれる知恵として、お伝えします。

■この先ずっとついて回る「決断」というストレス
社会人になって戸惑うのは、いくつかあると思います。
例えば、
「上下の人間関係」
「マニュアルに書かれていないルール」
「相手によって違う、言葉の使い分け」
「お金を稼ぐためのしくみの理解」
などなど。

しかし心配しなくても、それらはいずれ解消されます。
「慣れ」という、人間特有の技で、解消できます。

ところが、いっこうに解消されないストレスがあります。
解消されないどころか、年を重ねるごとに大きくなるストレスです。

それは、「何かを決めること」。

つまり、「決断」というストレスです。

普通に考えると、
「人間は年を取るほど賢くなるから、決断だってうまくできていくんじゃないの?」
と思うでしょう。
しかし、実際はその逆です。

なぜ、そうなっていくのでしょう?

■決断を”ストレスフル”にさせる2つの要因

決断にストレスを感じさせるのは、2つの要因があります。

①責任
②情報

説明します。

①責任
年を取ると、仕事で「責任」を負う範囲が広がります。
役職が上がるほど、影響を及ぼす人の数が増えるからです。
だから、決断を間違ってしまうと、それだけ多くの人に迷惑をかけてしまいます。
それが決断ストレスの大きな要因の一つになります。
ただし、このストレス要因は、「役職が上がったことによって、もらえる給料も増える」ことで、いくぶんかは緩和される方に向かいます。

②情報
決断は、何をもとにするのでしょう?
それは、「情報」です。
つまり、正しい決断をするには、「正しい情報」が必要なわけです。
ところが、この「正しい情報」を見極めることが、簡単ではないのです。

理由は簡単で、情報過多と言われる時代、こちらが探しに行かなくても、勝手に情報の方から押し寄せるようにやってくるからです。
そしてこの「情報」というものは、役職が上がるほどにその量が増え続けるので、給料などではまったく報われないのが現実です。

ここからは2つめの、「情報の取り扱い方」について有効な、基本的な姿勢をお伝えしていきます。

■情報の出どころはどこか?
世界に疫病が蔓延し、私たちはある意味、情報に振り回されているようです。

覚えているでしょうか?
ある人たちは、食料やトイペを買い占めに、スーパーに走り、
ある人たちは、殺菌のために熱いお湯を飲んだり、
ある人たちは、うがい薬を買い占めに、ドラッグストアに走り、
などなど、
今考えると、コントと思えるほどの混乱ぶりでした。

しかし、次にまた同様のことが起きたとき、私たちはそれを「やらない」と言い切れる自信は、ないはずです。

ここに、「情報」の取り扱いの重要さを学ぶことができます。

あの頃、スーパーやドラッグストアに走った人たちは、「●●がなくなる!」という情報をもとに、慌てて行動、つまり決断したわけです。

良い悪いの話ではなく、

人は、どんな情報を「インプット」するかによって
どんな行動に「アウトプット」させるかが決まります。


つまり、間違った情報を信じれば、間違った行動をしてしまう、ということです。
えてして世の中が混乱すると、さらに人心を混乱させようと、わざと間違った情報を流し、その様子を楽しむ輩がいます。
(「インフォデミック」と呼ばれ、不確かな情報がものすごいスピードで蔓延していく様子を表す言葉です)

私たちが情報を取り扱うときに、まず取るべき姿勢は、
1.落ち着いて
2.情報の出どころをたどる
ことです。

トイペがスーパーからなくなる、と言いだしたのは誰でしょう?
うがい薬が感染力を弱めると言ったのは?

私たちは日々、こうした「情報の大海」に漂いながら生きています。

まず取るべき姿勢。
それは、「落ち着く」こと。そして、その情報の出どころをたどることで、相当な不安やストレスを感じなくて済みます。

■3つの種類の情報
ビジネスの現場では、ほぼ毎日が、軽いインフォデミック状態です(笑)

そしてこれから年を重ねると、「2つの情報の罠」が待っています。

1つは、「誰かの意図で間違った情報をつかまされる」ことです。
それをもとに重要な決断をしてしまうことだってあります。

もう1つは、「思い込み・決めつけによって、情報を見誤る」ことです。
「あいつはできない」「どうせ間違っている」といった、勝手に身につけたバイアスによって、自分の首を絞めることです。

そうならないために、知っておいてほしい情報の種類をお伝えします。

一次情報:情報源となる独自の情報や公的機関が発表する情報など。自分が実際に収集した情報や実際に自身が経験したような、自分自身が情報源になる情報もこれに含まれます。
二次情報:人から見聞きした情報や一次情報をもとに編集された情報など。人から聞いた情報もこれに含まれます。
三次情報:情報元が不明な情報。

「自分開発サイト」情報を理解するために重要なこと

つまり、決断は、「一次情報」をもとに行うことが、重要なのです。

「あの人がこんなこと言ってましたよ」
「みんな、こう思ってます」
などなど、いつも普通に耳にするこれらの情報は、三次情報。
決断するにはほとんどゴミ同然だということがわかりますね。
面白いことに、ここに「情動的」に反射してしまう、良い年した先輩たちもいます。

「私がインタビューした人によると…らしいです!」
「海外では…だ。だから日本もやるべきだ」
私が心から軽蔑している、朝の情報番組で話すコメンテーターたちは、ただ見聞きした情報を、自分の都合の良いように色づけして、公共の電波を通して垂れ流す、中途半端なインフルエンサーと言えます。
つまり、これが二次情報。

ではここで、一次情報についてのエピソードに触れます。

つい先週のことです。身近なある大学生の親御さんから相談を受けました。
「息子が、おかしな自己啓発の団体に勧誘されて入会したんです。どうしたら…」とのこと。
私はまず、インターネットでその団体のことを「キーワード検索」しました。
検索結果の1ページ目の冒頭から「カルト集団~」という文字が躍っています。
投稿されたサイトは「口コミ」サイト。投稿しているのは、元会員らしき人たちです。
これは、「二次情報」もしくは「三次情報(元会員ですらない人)」ですね。
一定数の人は、これをもとに判断し、「こんな怪しい団体は、すぐに脱会しなさい!」となるでしょう。
仕方のないことですが、冷静さを失うと、ここらあたりの、まるでごみ箱から拾ってきた情報をもとに、本人に押し付けたりします。

私が次にとった行動は、一次情報を取ること、
つまり、その団体に直接電話をしました。

聞きたい点をすべてメモして、ひとつひとつ質問しました。
そして、その結果を、例の親御さんにそのままお伝えしました。
そのとき、私の受けた印象も聞かれました(二次情報)ので、「私はまったく怪しさを感じませんでしたよ」とだけ答えました。

親御さんは、しばらく様子を見るという決断をされたそうです。

これが、一次情報の取り方の例です。
焦ることも、戸惑うこともありません。

ただ、情報のおおもとに、自分でアクセスするだけです。
この原則を、押さえましょう。

■ムダなストレス期間をなくそう

ウェブサイトにある、他人の書いた情報で、ストレスを感じながら過ごす人もいます。
人のうわさ、自分勝手な思い込みで、勝手に傷つき、勝手に怒る人もいます。

それって、ムダだと思いませんか?

新社会人の皆さん。
きっと皆さんの先輩社員の中には、人前で感情的になったり、人に当たり散らしたりする人がいるでしょう。
その人たちはきっと、「決断」の仕方を知らない先輩たちです。
情報の見分けがつかなくて、ストレスに振り回されているのです。

もう一度言います。
1.落ち着いて
2.情報の出どころをたどる

この原則を押さえておきましょう。

皆さんの、心豊かなキャリアを祈って。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

<本日の箴言>
みずから老人たることを知るものは少ない

ラ・ロシュフコー

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