具体例による「フィードバック」集中トレーニング

こんにちは。
毎年のように暑さを更新する夏が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか?
きっと、夏休み前の方も多いと思います。
思い思いのプランを楽しんでくださいね。

今回のコラムのテーマは、「フィードバック」の仕方について、例を挙げなが集中ノックでいきたいと思います。
きっと日常で、「これは使える」と思われそうなものを用意しました。

1.効果的なフィードバックの秘訣とは
フィードバックとは、簡単に言えば「情報通知」です。
何に対しての情報通知かといえば、
「人の行動や結果に対して与えられる、影響や印象」の通知です。

もう少しかみ砕いていうと、
人が起こした行動や、もたらした結果に対して、「その行動/結果は、こんな影響を周りに与えた。周りはこんな風に受け止めている」という意味を持ちます。

よく、フィードバックのことを「鏡に映す」と言いますが、私たちは朝出かける前に鏡を見て、乱れた髪を整えたり、服についた埃をはらったりしていますね。
また、体重が気になる人は、こまめに体重計に乗ることで「うまくいっている」「ちょっと怠けたかな」と、常に体重計からフィードバックを受けているのです。

つまりフィードバックとは、ありのままの姿を通知することで、「行動変容」を促すことが目的なのです。
相手の成長や自己認識を促す手段として、非常に有効なコミュニケーション方法というわけです。

2.「叱るのが苦手」という上司にはピッタリの手法
明確なフィードバックを受けることで、人は自分の行動や成果についての認識を深めると同時に、今後の方向性や課題についての理解を深めることができます。

「部下を叱れない」という上司が最近は増えていますが、
そんな方にとっても、フィードバックを身に付ければ、「叱らなくても、行動変容を促せる」コミュニケーションとして、かなり重宝されるものです。

では、以下に具体的なフィードバックの例を示します。
実際に自分の身の回りの方や場面を思い浮かべながら、自分のボキャブラリーにしてしまいましょう。

3.ケース別「フィードバック」集中トレーニング
①自己評価が高すぎる部下
フィードバック例:

「あなたはいつも、多くのタスクを自信を持って取り組んでいますね。ただそれでも、実際の結果や他のメンバーからの評価を考慮に入れて、自己評価の基準を再確認する価値は、ありそうです」

「あなたの自己評価が他のメンバーの評価と一致しない場面がありそうですね。そのギャップについて、一緒に考えてみませんか?」

「高い自己評価は、たしかに自己成長のドライブとなるでしょう。ただ時おり、客観的な視点での自己評価も取り入れることをおすすめします」

②必要以上に自信のない部下
フィードバック例:

「最近のプロジェクトでのあなたの提案や実績を、私たちは高く評価しているんですよ。例えば〇〇の部分は、今以上に自信を持っても大丈夫ですよ」

「あなたが考えるよりも、あなたの意見や提案はチームにとって価値があります」

「あなたが今よりも自分の意見やアイディアをもっと積極的に共有することは、チーム全体をさらに良くしてくれますよ」

③パフォーマンスは良いがチームワークを重視しない部下
フィードバック例:

「あなたの成果や専門性を、私たちは高く評価しています。一方で、チームの一員としてのコミュニケーションや協力の重要性も、忘れないでください」

「あなたのスキルはチームにとってたしかに貴重です。が、もっとチームと協力することで、全体の成果をさらに引き出すことができると思いますよ」

「個人としての成果は素晴らしい。今度は、それをチーム全体での成果向上につなげる方法を考えてみませんか?」

④他者の指摘を受け入れようとしない部下
フィードバック例:

「あなたのスキルや知識は素晴らしいと思います。しかし、ときどき他者の意見も受け入れるような柔軟さを見せると、あなたの評価はぐっと上がりますよ」

「チームとして多様性な視点があるということは、新しいアイディアや解決策を生む原動力となります」

「皆からのフィードバックは、あなたのスキルや知識をさらに磨くための貴重な情報ですよ」

⑤いつもギリギリで目標達成ができない部下
フィードバック例:

「あなたは目標に対する情熱や努力は見えています。ただ、もう少し計画的に取り組むことで、もっとスムーズに目標を達成できると思います。」

「ギリギリの状況での達成は、時々ストレスやプレッシャーの原因になっているように見えます。計画を立てる練習を一緒にしませんか?」

「期限に対しての余裕を持つことで、さらにクオリティの高い成果を出すことができると確信しています。」

4.フィードバックをしてはいけない人
いかがでしたでしょうか。
きっと、「あ、今度あの人に使ってみよう」というフィードバック例があったのではないでしょうか。

ただ、フィードバックを与えるときに注意すべき、ものすごく大切なことがあります。

それは、

フィードバックをする側の人が信用されていなければ、そもそも「嫌味」にしか聞こえない。
という事実です。

フィードバックをする人が、ふだんからフィードバックをされていて、その都度、「いやいや、そんなことはわかってる」、「言われなくても、そうしようとしている」などなど、
こんなつまらない口癖のある人は、他人にフィードバックをしないほうが身のため、ということです。

ものすごく太った人に、「あなた、痩せなきゃダメでしょう」と言われて、説得力を感じるでしょうか。

フィードバックは、人に行動変容を促す効果があるのと同時に、やはり耳の痛い話をするわけです。
だから当然、「誰から言われるのか」が非常に重要となりますよね。

ここを絶対に押さえておく必要があります。

以上、フィードバックとは、内省することが苦手な人にはお勧めできない手法でした。
メタ認知力は、こうしたことからも大切な能力だったりします。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
良い夏休みをお迎えください。

<今週の箴言>
われわれが小さな欠点を認めるのは、
大きな欠点を持っていないと、人に信じさせるためである。

ラ・ロシュフコー


※トップ画面は、まさに「鏡で自分の姿を見る少年」です。AIに描かせてみました。

※note きよはらつよし(清原豪士)より転載

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