「No」と言う力:自己犠牲から脱却するために

こんにちは。
今回は、健全な人間関係を築くためのコミュケーションのひとつ、「断り方」について考察していきます。
私自身がよく人に伝えていることを、エビデンスをもとに洗い直してみました。
整理してなるべくシンプルにお伝えしたいです。

自己犠牲傾向が強い人の心理メカニズム
むちゃな頼まれごとをしても、「断ったら相手に悪い」という理由で、引き受けてしまう。
嫌な相手でも、その場を逃れたいという思いが強くなって、引き受けてしまう。
こういった「自己犠牲」の傾向が強い人について、その心理メカニズムを2つの視点で、整理します。

1.自己価値感の低さ:
自己犠牲傾向のある人々は、しばしば自己価値を、他人の評価に依存させます。この”依存”というのは厄介で、自分自身の価値を「他者のニーズを満たすことによってしか見出せない」という状態に陥らせてしまいます。

2.人間関係における不安
「他者に奉仕することで愛され、必要とされる」と感じる傾向があるようです。人間関係の喪失に対する深い恐れは、彼らを過剰な自己犠牲へと駆り立てる主な動機の一つとなっています。

自己犠牲傾向から抜け出すための具体策として
たいして重要でもない他人のために、自己を犠牲することは、何も得られず、そしてたくさんのものを失います。

しかも、特に、狡猾な「サイコパス気質」のある人たちに目をつけられると、コトは深刻です。彼らはこういう自己犠牲傾向が強い人をうまく利用し、自分の思い通りにしようと、巧みに罠をしかけてくるからです。

得られるものはなく、失うものは果てしなく多い
こうした人たちの行為を、私はよく「自己消耗」と呼んでいるのですが、じつは誰も喜んでいないのに、みずからを消耗させるという不思議な行為に映るからです。
でも同時に、このワナにハマっている人たちには、自分を救う手段を手に入れてほしいと、強く願っています。
結局、自分の身は自分でしか守れないから。

そして、自己犠牲傾向が強い人が、健全な人間関係と自信を回復させるには、3つの具体策があると言われています。

自己認識の強化
自己犠牲の背後にある動機を、理解することが大切です。
例えば、カウンセリングや相談といった対話を通じて、自己犠牲のパターンを探り、その原因を明らかにすることが有効です。
心理学の研究によれば、自己認識を高めることは、健全な人間関係を築く上での重要な第一歩とされています。

境界線の設定
自分のニーズと他者のニーズとの間に、「境界線」を設けましょう。これには、自分にとって不快または不健康な要求に対して「ノー」と言う勇気を持つことが含まれます。
社会心理学の研究は、境界線の明確化が自尊心と人間関係の質を向上させることを示しています。

セルフケアの重視
経験上、自分のケアが下手な人は、他人のケアも下手です。
セルフケアを日常生活に取り入れることで、自己価値感を内側から高めることができます。これには趣味、運動、健康的な食生活、十分な睡眠などが含まれます。
私はこれに加え、「自分への声がけ」の実践を勧めています。例えば、一日が終わって、お風呂や布団の中で、自分に「私は今日、よくがんばった」という声がけです。それだけです。体から力が抜けて、自分を大切にしたい気持ちが沸き上がってきます。
心理学の研究によると、自己ケアはストレス軽減、幸福感の向上、そして自己効力感の強化につながります。

「No」の伝え方:小さなステップから始める
この中で特に難しいのは、断り方だと言われてます。
ですが、このスキルを身につけることは、自尊心を高め、健康的な人間関係を築くために非常に重要なことです。
以下に、「No」と言えるようになるための具体的なコツと、それぞれのトークの例を紹介します。

  1. 小さなステップから始める
    コツ:
    大きな要求ではなく、小さなリクエストで「No」と言う練習を始めます。たとえば、友人からの些細な頼みごとや職場での小さな追加タスクから始めてみましょう。

  トークの例: 「今週末のパーティーの準備を手伝ってほしい」という友人のリクエストに対して、     
        「ごめん、今週末は既に予定があるんだ。次回は手伝えるといいんだけど」。

  1. シナリオの準備
    コツ: 「No」と言うシナリオを事前に準備しておきます。だいたいのパターンは、予想できますよね?「どのように断るか」、「どんな言葉を使うか」などをあらかじめ考えておくと、実際の状況での対応がスムーズになります。

   トークの例: 上司が「この新しいタスクの担当をしてほしい」と依頼した場合、「今は主業務で
         手一杯で、●●のタイミングなら可能なのですが」と答える。

  1. クリアで簡潔なコミュニケーション
    コツ:
    「No」と言う際は、明確かつ簡潔に伝えます。無用な説明や言い訳は避けましょう。余計な情報が付けば付くほど、相手には、「余計な解釈」の余地を与えしまいます。

  トークの例: 友人から「今週末の映画に行かない?」と尋ねられたとき、「ありがとう、その映画は私向きじゃないかな。ごめんなさい。他の機会にぜひ」とシンプルに答えます。

  1. 罪悪感を手放す
    コツ:
    「No」と言った後に感じる罪悪感を手放すことです。自分を大切にするために断ることが必要だ、と自分に言い聞かせましょう。

  トークの例: 自分に対していってください。「私の時間とエネルギーは貴重だ。自分のニーズを尊重することは何も悪いことじゃない」と。

いかがでしょう?
「No」と言うことは、自己犠牲のパターンを打破し、健全な人間関係を築くための重要なスキルです。
練習と実践を通じて、このスキルを徐々に身につけていくことが可能です。

私はこれまで多くの人が、たいして重要でない他人の、どうでもよい頼み事ために、自分の貴重な人生を切り売りするような場面を見て、心が苦しくなる思いをしてきました。

そろそろ、自分の人生と向き合っても良いのではないでしょうか。
もっと自分を大切に、それと同じくらい他社も大切にするために、「断る」やり方を身につけましょう、

みなさんの、豊かで充実した人生を願っています。

<今週の箴言>
弱さは、悪徳が美徳に反するより、
もっと美徳に反する

ラ・ロシュフコー

※note きよはらつよし(清原豪士)より転載

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